先週の主な出来事

21日:北朝鮮が朝に短距離ミサイル2発を発射。

22日:米国・英国・カナダは、中国での少数民族ウイグル族の不当な扱いが人権侵害にあたるとして、中国政府当局者らへの制裁をそろって発表。
王毅(ワン・イー)国務委員兼外相が、ロシアのラブロフ外相と会談した。王氏は米国との関係が悪化するトルコを訪問し、関係強化に乗り出す。
欧州連合(EU)は外相理事会で、中国での少数民族ウイグル族の不当な扱いが人権侵害にあたるとして、中国の当局者らへの制裁を採択した。対中制裁は約30年ぶりで、同日付で発動。
欧州連合(EU)が決めた中国当局者への制裁に対し、中国が対抗措置をとったことを受け、オランダ政府は、駐中国大使を本国に召還することを決めた。またフランス外務省も22日、駐中国大使を召還したと発表。
欧州連合(EU)は外相理事会で、ミャンマーで2月に起きた国軍によるクーデターに関連して、国軍のミン・アウン・フライン総司令官ら11人への制裁を承認した。バイデン米政権も同日、ミャンマーの2個人・2団体に制裁を発動。対中国制裁と並んでミャンマー問題でも米欧が足並みをそろえた。
日独両政府は、部隊の運用計画やテロ情勢など軍事機密を共有しやすくする「情報保護協定」を結んだ。中国の海洋進出への危機感を背景に、インド太平洋地域で安全保障協力を強化。

23日:米インド太平洋軍の次期司令官に指名されたアキリーノ太平洋艦隊司令官(海軍大将)の承認に関する公聴会が上院軍事委員会で開かれた。アキリーノ氏は台湾有事の時期について「大方の予想よりずっと近い」と警告
ブリンケン米国務長官は、北大西洋条約機構(NATO)の将来について「中国がルールに基づく秩序にもたらす課題(への対処)に注力する必要があるし、そうすると確信している」と述べた。
世界最大級のコンテナ船が、海運の大動脈スエズ運河を塞いだ。全面的な正常化のメドは立っていない

24日:人権侵害に関与した外国の当局者へ制裁を科す法整備を目指す超党派の議員連盟が近く発足する。すでに法整備している米欧の主要国は中国のウイグル族の人権問題を巡り対中制裁に踏み切った。
国軍によるクーデターが起きたミャンマーで、市民が出勤や外出をやめて抗議の意思を示す「沈黙のストライキ」が行われた。
3月欧州製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)+62.4
3月欧州サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)+48.8
3月米製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)+59.0
3月米サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)+60.0

25日:東京外国為替市場でユーロは対ドルで一時1ユーロ=1.18ドル近辺と、前日に続き2020年11月以来およそ4カ月ぶりの安値をつけた。米金利の上昇に加え、新型コロナウイルスの感染再拡大もユーロ売りにつながっている。
予定より早く閉幕した欧州連合(EU)首脳会議で、ユーロ圏各国の首脳は単一通貨ユーロの国際化を推進する方針で合意した。EUがグリーンボンド(環境債)など最大3250億ユーロ(約42兆円)を発行し、環境をてこにユーロの地位を引き上げる。
台湾と米国は、沿岸警備を協力して強化することで合意し、覚書に署名した。沿岸警備を担当する米台当局間が綿密に調整を取り合うための作業部会を設置する。
菅義偉首相は、北朝鮮が25日朝に弾道ミサイル2発を発射したと断定した。「日本と地域の平和を脅かすものだ。厳重に抗議し、強く非難する」と述べ、国連安全保障理事会の決議に違反すると指摘した。

26日:北朝鮮の朝鮮中央通信は、兵器の開発機関である国防科学院が「新型戦術誘導弾(ミサイル)」の発射試験に成功したと伝えた。2019年から発射を繰り返してきた短距離弾道ミサイルの改良型とみられる。
2月米個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前年同月比)+1.4%
3月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)(前年同月比)▲0.1%

27日:安倍晋三前首相は、新潟市で開かれた自民党新潟県連会合で講演し、日本を含むアジア地域が米中両国対立の最前線になっていると指摘した。対中国政策を巡って「インド太平洋地域がフロントラインになってきたとの認識と覚悟を持ち、外交・安全保障政策に取り組む必要がある」と述べた。
中国とイランは経済や安全保障を巡る25年間の協定を結んだ。

 

先週の為替相場レンジ(変動範囲)

始値 安値 高値 終値 終値▲始値
USD/JPY 108.60 108.40 109.86 109.67 +1.07
EUR/USD 1.1881 1.1761 1.1947 1.1794 ▲0.0087
EUR/JPY 129.02 128.29 129.95 129.33 +0.31
USD/CNH 6.5100 6.5020 6.5534 6.5412 +0.0312
CNH/JPY 16.65 16.62 16.78 16.76 +0.11

 

先週の為替相場サマリー

先週のドル円相場は、1ドル=108.60円からスタート。週初はトルコリラ円(TRY/JPY)暴落の影響により、ドル円も下押しからスタート。その後も火曜日の欧州時間まで軟調推移が続き、一時108.40まで下落。しかしドル高が意識される中で、ドル円は徐々に上昇に転じると、その後は金曜日のNY時間まで押し目なくじりじりと109.86まで上昇。週末はやや値を戻して109.67でクローズ。

ユーロ相場は、1ユーロ=1.1881ドルからスタート。ドル円と同じく、週初はトルコリラ暴落の影響でユーロ高からスタート。しかし火曜日早朝にはユーロ安ドル高に転じると、新型コロナウイルスの拡大も意識される中で、その後は一方的に下落。金曜日には1.1761の安値をつけ、週末は1.1794でクローズ。

人民元相場は1ドル6.5100元からスタート。週初から中国と西側諸国との対立が目立つ中、ほぼ一方的に人民元安が進行。金曜日までじりじりとドル高、人民元安が進行し、6.5534まで上昇したのち、週末は6.5412でクローズ。

 

今後の主な経済指標と政治イベントの予定

<今週>

29日:日銀金融政策決定会合の主な意見(3月18~19日分)
中国の全国人民代表大会(国会に相当)常務委員会が香港の選挙制度見直しを審議(北京、30日まで)

30日:3月ドイツ消費者物価指数(CPI、速報値)(前年同月比)

31日:3月欧州消費者物価指数(HICPコア指数、速報値)(前年同月比)
3月米ADP雇用統計(前月比)
バイデン大統領演説@ピッツバーグ

1日:3月米ISM製造業景況指数

2日:3月米雇用統計

 

<来週以降>

4月22日:ECB
4月26日―27日:日銀金融政策決定会合
4月27日―28日:FOMC
5月25-28日:特別年次総会 シンガポール開催
6月1日:ECB
6月11-13日:主要7カ国首脳会議(G7サミット) 英南西部コーンウォール開催
6月15日―16日:FOMC
6月17日―18日:日銀金融政策決定会合
7月15日―16日:日銀金融政策決定会合
7月22日:ECB
7月27日―28日:FOMC
8月:ジャクソンホール会議
9月9日:ECB
9月21日―22日:日銀金融政策決定会合
9月21日―22日:FOMC
10月27日―28日:日銀金融政策決定会合
10月28日:ECB
11月2日―3日:FOMC
12月14日―15日:FOMC
12月16日:ECB
12月16日―17日:日銀金融政策決定会合

 

先週の対ドル通貨騰落率

※世界の通貨強弱を可視化し、現在の「相場のテーマ」の推測に役立てています

先週は地図が真っ赤に染まっていることから、各国の通貨が売られ、米ドルが買われたことが分かります。特にトルコリラを始め、ブラジル、南アなど新興国が軒並み弱く、米金利上昇、米金融緩和縮小懸念により悪影響を受けていることが想定されます。反対に力強かったのがインドや東南アジア諸国。中国の外交圧力をもろに受けている地域ですが、欧米諸国がインド太平洋地域の防衛を強化していることも影響している可能性があります。

 

グローバルマクロ環境の整理

まず大きな流れとして、世界の二極化、つまり米国などの民主主義陣営と、中国などの権威主義陣営の分断が進んでいます。この紛争地域の最前線として意識されるのが台湾・および尖閣諸島であり、世界中の注目が集まっています。本件は投資家にとって最大級のリスク要因となる可能性があり、十分に注意が必要です。

またスエズ運河の封鎖による影響が引き続き意識されています。アジアと欧州との貿易がスエズ運河経由でなく、喜望峰経由となることで、必要燃料が増加し、燃料価格の高騰に繋がる可能性があります。

それから新型コロナウイルスの感染再拡大も意識されています。ブラジルを筆頭に、欧州などで再拡大の傾向が強く、これが長期継続するようであれば、さらなる経済活動の下押し材料となります。

さらに米金利上昇、米金融緩和縮小懸念による、新興国への悪影響が意識されています。米金利上昇による自国通貨への影響を避けるために、新興国は利上げに迫られていますが、実体経済が芳しくない中で、利上げを行うことで、さらなる景気悪化が意識されます。

ここもとの一方的なドル高の背景には米利上げ観測だけではなく、米国の政治的な力強さが意識されている可能性があります。バイデン政権が「人権」をテーマに日欧を綺麗に巻き込み、米国の国際政治における影響力が増しています

 

テクニカル分析

USD/JPY 中期

USD/JPY 短期:

 

EUR/USD 中期

EUR/USD 短期

USD/CNH 中期

USD/CNH 短期

 

今週の戸田の取引戦略

USD/JPY

一部では、ドル円の上昇、上放れは時間の問題と言われますが、添付の中期チャートをご覧頂くと、上に抜けきっているように見えません。また短期的にも、中期的にも買われ過ぎの水準に位置しますので、上値が限定的である一方、下値が底なしです。ドル円の買い持ちの勝率は高いかも知れませんが、リスクリワードとしては問題があるように見えます。

ただし金利上昇が一服しているにも関わらずドル高が続いている相場からは、金利だけでなく、米外交の影響力の高まりから、米ドルの基軸通貨としての価値見直しが行われている可能性もあります。したがって、ファンダメンタルズのみにフォーカスすれば、ドル買いで入りたい状況と言えます。

従って、下落のリスクを如何にしてコントロールするかが肝要になりますが、こういった相場の際に、効果を発揮するのが「ドル円ロングの回転売買」です。つまり、利食いも損切も幅を短く設定して、必ずロングから入っていくことで、リスクを限定しつつ、ドル円の上昇を狙っていきます。

20日の移動平均をバックに戦うと、なかなかエントリー出来ないので、5日と10日の下値をめどに買いを入れていきたいと思います。さらに短期でトレードしたい場合には時間足(12, 24, 72時間など)を参考にしてください。

 

EUR/USD、EUR/JPY

ユーロは中期では明確なトレンドは出ていません。1.05-1.25のコアレンジの範囲内で、やや上の方に位置するのが現状です。

欧州の新型コロナウイルス感染が拡大する中で、ユーロ買いから入りづらい状況です。売りから入りたいですが、先週しっかり売られたので入りづらいところでもあります。個人的には、今はドル円の方が取引しやすいと思っているので、深追いするつもりはないです。EUR/JPYについても、ドル高相場の中では、素直にドル円を取引した方が分かり易いと思っているので、取引予定なしです。

 

CNH/JPY、USD/CNH

人民元は弱含んできました。これは米ドル上昇要因に加えて、国際政治的に中国が追い詰められてきていることも影響していると考えています。

結果としてドル人民元は綺麗に反転しています。ユーロや円と異なり、トレンドの出やすい通貨ペアですので、素直に人民元売りがワークしそうです。当局が目安として意識している1ドル=7.00人民元まではまだ大きく余地がありますので、しばらくは人民元売りで入っていこうと思います。

人民元円はドル円が上昇局面にある中で、まだ上昇を続けていますが、EUR/JPYと同じく、素直にドル円を取引した方が良い局面でしょう。

なお今週は中国のPMIの発表を控えますが、中国のアンケート調査には政府への忖度が含まれる可能性がありますので、基本的にはノイズとして無視する方針です。

 

ご留意事項

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