目次
先週の為替相場レンジ(変動範囲)
始値 | 安値 | 高値 | 終値 | 変化率 | |
---|---|---|---|---|---|
USD/JPY | 109.97 | 109.13 | 110.79 | 110.74 | +0.70% |
EUR/USD | 1.1732 | 1.1683 | 1.1756 | 1.1719 | ▲0.11% |
EUR/JPY | 128.97 | 127.93 | 129.85 | 129.76 | +0.61% |
USD/CNH | 6.4712 | 6.4526 | 6.4880 | 6.4620 | ▲0.14% |
CNH/JPY | 16.9916 | 16.8244 | 17.1432 | 17.1379 | +0.86% |
先週の為替相場サマリー
USD/JPY
- 先週のドル円相場は、1ドル=109.97円からスタート。中国恒大集団に関する噂が飛び交う中で、市場の雰囲気はリスクオフ。ドル円はじりじりと下落し水曜日の東京時間にかけて109.13まで下落。しかしその後にPBOC(中国の中央銀行)が短期金融市場に大型の資金供給を行ったことを報告すると、中国当局の金融市場全般に対する支援姿勢が明確になったことで、急激に市場のセンチメントが改善、これをきっかけに円安相場となった。水曜日のNY時間には米連邦公開市場委員会(FOMC)の報告で11月のテーパリングアナウンスや2022年中頃のテーパリング完了が示唆されたことで米金利は上昇、為替はドル買いが強まった。ドル円はさらに上昇を続け木曜日に110円を突破、週末には110.79の高値をつけたあと110.74の高値圏でクローズ。
EUR/USD
- ユーロ相場は、1ユーロ=1.1732ドルからスタート。上下に大口のオプション契約が置かれる中、水曜日のFOMCまで小動きが続いた。注目のFOMCでは前述の通り、ドル買いが強まるとユーロは一時1.1683まで下落。しかし引き続き下値を切り崩すには至らず、次第に反発すると1.1750レベルまで買い戻される局面もあった。週末は1.1719と、週初とほぼ同水準でのクローズ。
USD/CNH
- 人民元相場は1ドル6.4712元からスタート。週初は中国恒大集団に関する噂が飛び交う中で、ドル買い人民元売りが優勢で、一時6.4880までドルが上昇する。しかし水曜日にPBOC(中国の中央銀行)が短期金融市場に大型の資金供給を行ったことを報告すると、中国当局の支援姿勢が明確になったことで、その後は人民元買いが強まる展開となる。木曜日には6.4526までドル売り、人民元買いが強まる局面もみられた。週末は6.4620でクローズ。
先週のできごと
※物価指数とマネー統計は前年同月比、GDPは前期比、特段の記載がない経済指標は前月比または当月の数値
20日
- 日本・中国は祝日(敬老の日、中秋節)
- 米9月NAHB住宅市場指数 76
- カナダ下院の総選挙で、トルドー首相が率いる自由党が再び第1党となった。単独過半数には届かず、再び少数与党となる見通し。法案や予算の成立のために他党との協力に頼ることになる。
21日
- 中国は祝日
- 米4-6月期四半期経常収支 ▲1,903億ドル
- 米8月住宅着工件数 +161.5万件(強い)
- 米8月建設許可件数 +172.8万件(強い)
- 米議会民主党は、9月末の会計年度末を控えて今年12月3日までのつなぎ予算案をまとめ、2022年12月16日まで連邦政府の債務上限の適用を一時停止する措置を盛った。民主党が議席の過半を占める下院は21日夜に同法案を賛成多数で可決した。上院は与野党勢力が拮抗し、成立するかどうか見通せない。
22日
- 日本銀行は政策金利を▲0.1%に据え置き
- 米8月中古住宅販売件数 588万件
- 欧州9月消費者信頼感 ▲4.0
- 米連邦公開市場委員会(FOMC)は報告書とパウエルFRB議長の記者会見で次回11月FOMCでのテーパリングアナウンス及び2022年中頃のテーパリング完了を示唆した。
- ブラジル中央銀行は政策金利を1.0%引き上げ+6.25%に設定
- 中国の不動産大手、中国恒大集団は、期日を23日に控えた人民元建て債の利払いを実施すると発表した。金額は2億3200万元(約39億円)。恒大を巡っては1兆9665億元(約33兆4000億円)にのぼる負債を巡り信用不安が浮上しており、債券の利回りが急上昇していた。
23日
- 日本は祝日(秋分の日)
- 南アフリカ準備銀行(中央銀行)は政策金利を3.5%に据え置き
- スイス国立銀行(中央銀行)は政策金利を▲0.75%に据え置き
- ノルゲバンク(ノルウェー中央銀行)は政策金利を+0.25%利上げ(先進国ではパンデミック以降で初めて)
- 欧州9月製造業購買担当者景気指数 58.7
- 欧州9月サービス業購買担当者景気指数 56.3
- イングランド銀行(BOE、英中央銀行)は政策金利を0.10%に据え置き
- 米新規失業保険申請件数 35.1万件
- 米9月製造業及購買担当者景気指数 60.5
- 米9月サービス業購買担当者景気指数 54.4
- 米8月景気先行指標総合指数 +0.9%
- 台湾当局は環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟に向け、正式に申請手続きを行ったと発表した。
24日
- 日本8月全国消費者物価指数 0.0%
- 米8月新築住宅販売件数 +1.5%
- 中国人民銀行(中央銀行)は、暗号資産(仮想通貨)の決済や取引情報の提供など関連サービスを全面的に禁止すると発表した。違法な金融活動と位置づけ、刑事責任も追及する。海外の取引所がインターネットを介して中国国内でサービスを提供することも違法とする。
- 国際原子力機関(IAEA)の年次総会は、北朝鮮に対し非核化へ具体的な行動を求める決議を全会一致で採択した。核開発を継続しているのは明らかに国連安全保障理事会の決議違反だとし、「深い遺憾」を表明した。
- 日本、米国、オーストラリア、インドの4カ国首脳は、ホワイトハウスで初の対面による会議を開いた。共同声明で東・南シナ海を含め「ルールに基づく海洋秩序に対する挑戦に対抗する」と強調した。4カ国の首脳、外相の会議を毎年開催すると合意した。
経済用語解説
- GDP=Gross Domestic Price(国内総生産);高成長が良い
- CPI=Consumer Price Index(消費者物価指数):2%目標を掲げる先進国が多い
- PCE=Personal Consumption Expenditures:個人消費支出、消費者物価と相関が高い
- PPI=Producer Price Indes(生産者物価指数):CPIに影響を与える
- PMI=Purchasing Manager Index(購買担当者景気指数):50が基準
- ZEW=Leibniz Centre for European Economic Research(欧州経済研究センター):0が基準
- NAHB=National Association of Home Builder:50が基準
- ニューヨーク連銀製造業景気指数:0が基準
- フィラデルフィア連銀製造業景気指数:0が基準
- リッチモンド連銀製造業指数:0が基準
- シカゴ購買部協会景気指数:50が基準
- ミシガン大学消費者態度指数:1966年を100として指数化
- S&P/ ケース・シラー住宅価格指数は、「20大都市圏住宅価格指数」がよく利用されている。景気に大きな影響がある住宅市場の動向を確認する上で重要な指標。
- 住宅販売保留指数:売買契約は終わっているが、引渡しが済んでいない物件数を指数化
- 欧州消費者信頼感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(速報の発表は前月比で報告される)
- 欧州景況感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(発表は実数で報告される)
- 消費者信頼感指数:1985年を100として指数化したもの
- 日本景気動向指数:2015年を100として指数化したもの
- 日本景気ウォッチャー調査:50が基準
- 日本法人企業景気予測調査:0が基準
注目の経済指標と政治イベント
27日
- 20:45 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、公聴会にて、経済・金融政策に関して報告
- 21:30 米8月耐久財受注
28日
- 時間未定 日銀・金融政策決定会合議事要旨
- 21:00 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、ECBフォーラムにて、パンデミックを乗り越えるための金融政策に関して冒頭のイントロを担当
- 22:00 7月ケース・シラー米住宅価格指数
- 23:00 米9月消費者信頼感指数
- 23:00 9月リッチモンド連銀製造業指数
29日
- 時間未定 自民党総裁選投開票
- 18:00 欧州9月消費者信頼感
- 18:00 欧州9月経済信頼感
- 23:00 米8月住宅販売保留指数
- 23:30 米週間原油在庫量
- 24:45 ECBフォーラム「パンデミックを乗り越えるための金融政策」にて、黒田日銀総裁、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁発言
30日
- 08:50 日本8月鉱工業生産
- 10:00 中国9月製造業購買担当者景気指数(PMI)
- 10:45 中国9月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)
- 16:10 【挨拶】黒田総裁(全国証券大会)
- 18:00 欧州8月失業率
- 21:30 米新規失業保険申請件数
- 21:30 米4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、確定値)
- 21:30 米4-6月期四半期コアPCE・確定値(前期比年率)
- 22:45 9月シカゴ購買部協会景気指数
1日
- 中国&香港 国慶節入り(本土は7日まで祝日)
- 08:30 日本8月失業率
- 08:50 7-9月期日銀短観・四半期大企業業況判断
- 18:00 欧州9月消費者物価指数(HICP)
- 21:30 米国8月個人消費支出(PCEデフレーター)
- 23:00 米9月ミシガン大学消費者態度指数・確報値
- 23:00 9月ISM製造業景況指数
来週以降
- 9月29日:自民党総裁選
- 9月30日:自民党総裁任期満了
- 10月1日:自民党新総裁の任期
- 10月27日―28日:日銀金融政策決定会合
- 10月28日:ECB
- 10月30日―31日:G20首脳会議
- 11月2日―3日:FOMC
- 12月14日―15日:FOMC
- 12月16日:ECB
- 12月16日―17日:日銀金融政策決定会合
- 1月17日―21日:ダボス会議
本コンテンツの続き
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