目次
先週の為替相場レンジ(変動範囲)
始値 | 安値 | 高値 | 終値 | 変化率 | |
---|---|---|---|---|---|
USD/JPY | 117.32 | 117.32 | 119.41 | 119.17 | +1.58% |
EUR/USD | 1.0943 | 1.0901 | 1.1138 | 1.1055 | +1.02% |
EUR/JPY | 128.00 | 128.00 | 131.93 | 131.67 | +2.86% |
USD/CNH | 6.3580 | 6.3529 | 6.4113 | 6.3640 | +0.09% |
CNH/JPY | 18.4530 | 18.3810 | 18.7385 | 18.7159 | +1.42% |
先週の為替相場サマリー
引き続き円安が加速
USD/JPY
- 先週のドル円相場は、上昇地合いが継続。1ドル=117.32円からスタートし、火曜日には早々に118円台に到達。注目の集まった水曜日のFOMCでは実際に0.25%の利上げと、2022年はさらに追加で1.50%程度の利上げが適正との見方が示されたことから一時119円台にワンタッチした。その後は一時調整が入り118円台の前半まで戻されたが、金曜日には日銀の金融緩和継続方針が示されると円はさらに売られドル円は119.41円まで上昇したあと、119.17円でクローズ。
EUR/USD
- ユーロは買戻しが優勢。1ユーロ=1.0943ドルからスタートし、上下しながらもじりじりと上昇し水曜日のFOMCを消化し1.10台が定着。木曜日には材料出尽くしでドルが一旦売られるとユーロは1.1138の今週高値を記録した。週末は再度ドルが買い戻され1.1055でクローズ。
USD/CNH
- 人民元は行ってこいの展開。1ドル=6.3580元からスタートすると、週初は中国で感染が拡大している新型コロナの影響が嫌気され人民元は売られ、火曜日に6.40台を突破し、6.4113まで上昇。しかしその後は根強い人民元先高観からか、週末に掛けてはじりじりと買い戻され、結局週初とあまり変わらない6.3640でクローズ。
先週のできごと
①ウクライナ戦争は継続、②アメリカがいよいよ利上げを実施、③日本は金融緩和継続方針を示す
14日
- 米国が夏時間に移行(13日~)
- スウェーデン2月消費者物価指数 +4.3%
- インド2月消費者物価指数 +6.1%
- 国際原子力機関(IAEA)は声明で、ロシアが制圧したウクライナのチェルノブイリ原発で外部電源が再び復旧したとウクライナ側から報告があったと発表した。
- 米国防総省のカービー報道官はウクライナへの武器供与を継続する方針を表明した。「複数のルートがある」と語り、ロシア軍がウクライナ西部で攻勢を強めても補給路をすぐに遮断される可能性は低いとの見方を示した。
- 国連のグテレス事務総長はロシアが同国の核抑止部隊に高度な警戒態勢への移行を指示したことに関連し、「核戦争はかつて考えられなかったが、今では起こり得る」との認識を示した。記者団に語ったもので、即時停戦を改めて訴えた。
15日
- オーストラリア10-12月期四半期住宅価格指数 +4.7%(前期比)
- 中国1&2月小売売上高 +6.7%(前年同期比)
- 中国1&2月鉱工業生産 +7.5%(前年同期比)
- 英国2月失業率 4.4%
- ユーロ圏3月ZEW景況感調査 ▲38.7(非常に悪い数値)
- 米国3月ニューヨーク連銀製造業景気指数 ▲11.8
- 米国2月卸売物価指数 +8.4%
- ポーランドのモラウィエツキ首相、チェコのフィアラ首相、スロベニアのヤンシャ首相はウクライナの首都キエフを訪れゼレンスキー大統領と会談した。欧州連合(EU)を代表して支持を強調する狙い。ロシアのウクライナ侵攻後、キエフに外国首脳が入るのは初めて。
- ロシア下院のトルストイ副議長はロシアが欧州評議会(本部・仏ストラスブール)から脱退すると表明した。ロシアのコサチョフ上院副議長ら議会幹部は同日、ロシアが人権や基本的自由を定めた欧州人権条約などからも脱退すると述べた。
- ウクライナの首都キエフで15日夜(日本時間16日未明)から35時間の外出禁止令が敷かれる。ロシア軍による市街地への攻撃が激しくなってきたからだ。
16日
- 日本2月貿易統計 ▲6,683億円
- 日本1月設備稼働率 ▲3.2%
- カナダ2月消費者物価指数 +5.7%
- 米国2月小売売上高 +0.3%
- FRB(アメリカ中央銀行)は政策金利を0.25%引き上げ0.25%~0.50%に設定
- ブラジル中央銀行は政策金利を1.0%引き上げ11.75%に設定
- ロシア政府は16日が期日だったドル建て国債の利払いを完了し、デフォルト(債務不履行)をひとまず回避した。デフォルトとなり、長期にわたって国際資本市場に復帰できなくなるリスクを重くみたとみられる。
- バイデン米大統領はウクライナに侵攻して軍事作戦を続けるロシアのプーチン大統領について「彼は戦争犯罪人だと思う」と初めて明言した。
- 北大西洋条約機構(NATO)は国防相理事会で、ロシアの侵攻が続くウクライナへの支援を拡充することで合意した。軍事物資や財政や人道面での支援を増やす方針だ。侵攻を機に欧州の安全保障環境が一変したとして中長期で防衛体制を見直すことで一致した。
- 米国の金融緩和局面が終わりを迎えた。米連邦準備理事会(FRB)は16日、2年ぶりにゼロ金利政策を解除した。40年ぶりの高インフレに立ち向かうFRBは今後、ハイペースの利上げで正常化を進める構えをみせる。
17日
- 日本1月機械受注 ▲2.0%
- オーストラリア2月雇用統計 新規雇用者数増減+7.74万人 失業率4.0%
- トルコ中銀は政策金利を14.0%に据え置き
- イングランド銀行(BOE、英中央銀行)は政策金利を0.25%引き上げ、0.75%に設定
- 米国2月住宅着工件数 176.9万件(年率換算件数)+6.8%
- 米国2月建設許可件数 185.9万件(年率換算件数)▲1.9%
- 米国前週分新規失業保険申請件数 21.4万件
- 米国3月フィラデルフィア連銀製造業景気指数 27.4
- 米国2月鉱工業生産 +0.5%
- ロシアのネベンジャ国連大使は提案していたウクライナの人道状況をめぐる独自の決議案について「(予定していた)18日の会合で採決を取るのはやめた」と発表した。欧米勢は決議案に反対する立場を明確にしており、採択の可能性は極めて低かった。
- 台湾の中央銀行は定例理事会を開き、政策金利を現行の年1.125%から0.25%引き上げ、1.375%にすると決めた。
18日
- 日本2月全国消費者物価指数(CPI) +0.90%
- ロシア中銀は政策金利を20.0%に据え置き
- 米国2月中古住宅販売件数 ▲7.2%
- バイデン米大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席はロシアによるウクライナ侵攻をめぐりテレビ会議形式で1時間50分ほど協議した。サキ米大統領報道官は協議後の記者会見で、バイデン氏は「ロシアを支援した場合、どのような結果がもたらされるか明確にした」と明かした。習氏は「台湾問題がうまく処理されなければ、米中関係に破壊的な影響を及ぼすおそれがある」と強い言葉で警告した。
- 日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の記者会見で、消費者物価の上昇率が4月以降に2%程度になる見通しを示した。資源高や円安による輸入価格の上昇が影響する。物価が上昇するなかでも「金融政策を修正する必要性を全く意味していない」と述べ、緩和を続ける考えを強調した。
経済用語解説
- GDP=Gross Domestic Product(国内総生産):高成長が良い
- CPI=Consumer Price Index(消費者物価指数):2%目標を掲げる先進国が多い
- PCE=Personal Consumption Expenditures:個人消費支出、消費者物価と相関が高い
- PPI=Producer Price Index(生産者物価指数):CPIに影響を与える
- PMI=Purchasing Manager Index(購買担当者景気指数):50が基準
- ZEW=Leibniz Centre for European Economic Research(欧州経済研究センター):0が基準
- NAHB=National Association of Home Builder:50が基準
- ニューヨーク連銀製造業景気指数:0が基準
- フィラデルフィア連銀製造業景気指数:0が基準
- リッチモンド連銀製造業指数:0が基準
- シカゴ購買部協会景気指数:50が基準
- ミシガン大学消費者態度指数:1966年を100として指数化
- S&P/ ケース・シラー住宅価格指数は、「20大都市圏住宅価格指数」がよく利用されている。景気に大きな影響がある住宅市場の動向を確認する上で重要な指標。
- 住宅販売保留指数:売買契約は終わっているが、引渡しが済んでいない物件数を指数化
- 欧州消費者信頼感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(速報の発表は前月比で報告される)
- 欧州景況感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(発表は実数で報告される)
- 消費者信頼感指数:1985年を100として指数化したもの
- 日本景気動向指数:2015年を100として指数化したもの
- 日本景気ウォッチャー調査:50が基準
- 日本法人企業景気予測調査:0が基準
※物価指数とマネー統計は前年同月比、GDPは前期比、特段の記載がない経済指標は前月比または当月の数値
注目の経済指標と政治イベント
①ウクライナ情勢、②各国の首脳会議、要人発言
21日
- 日本祝日(春分の日)
- 欧州連合(EU)外相・国防相理事会(ブリュッセル)
- 中国LPR(最優遇貸出レート)発表
- 16:00 ドイツ2月生産者物価指数(PPI)
- 16:30 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、発言(event of Institut Montaigne)
- 25:00 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
22日
- 18:00 ユーロ圏1月経常収支
- 22:45 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、発言( "Emerging challenges for central banks in a digital world" during BIS Innovation Summit 2022)
- 23:00 3月リッチモンド連銀製造業指数
23日
- IEA閣僚理事会(~24日まで)
- ウクライナのゼレンスキー大統領、日本の国会でのオンライン演説
- 16:00 英国2月消費者物価指数(CPI)
- 17:00 南ア2月消費者物価指数(CPI)
- 21:00 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
- 23:00 米国2月新築住宅販売件数
24日
- ロシアのウクライナ侵攻から1ヵ月
- NATO首脳会談
- EU首脳会議(~25日まで)
- 南アフリカ準備銀行(中央銀行)政策金利
- 08:50 日銀・金融政策決定会合議事要旨
- 18:00 ユーロ圏3月PMI
- 18:30 英国3月PMI
- 22:45 米国3月PMI
- 28:00 メキシコ中銀、政策金利
25日
- 08:30 3月東京都区部消費者物価指数
- 16:00 英国2月小売売上高
- 23:00 米国2月住宅販売保留指数
- 米、ロシア最大手銀などとの取引停止措置の発効(26日~)
来週以降
- 4月14日:ECB
- 4月28日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 5月4日:FOMC
- 6月9日:ECB
- 6月15日:FOMC(経済予測データ付き)
- 6月17日:日銀金融政策決定会合
- 7月21日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 7月21日:ECB
- 7月27日:FOMC
- 9月8日:ECB
- 9月21日:FOMC(経済予測データ付き)
- 9月22日:日銀金融政策決定会合
- 10月27日:ECB
- 10月28日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 11月2日:FOMC
- 11月8日:米中間選挙の投開票
- 12月14日:FOMC(経済予測データ付き)
- 12月15日:ECB
- 12月20日:日銀金融政策決定会合
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