目次
先週の為替相場レンジ(変動範囲)
始値 | 安値 | 高値 | 終値 | 変化率 | |
---|---|---|---|---|---|
USD/JPY | 134.90 | 134.27 | 136.71 | 135.17 | +0.20% |
EUR/USD | 1.0472 | 1.0470 | 1.0606 | 1.0554 | +0.78% |
EUR/JPY | 141.35 | 141.32 | 144.26 | 142.66 | +0.92% |
USD/CNH | 6.7085 | 6.6690 | 6.7342 | 6.6826 | ▲0.39% |
CNH/JPY | 20.1079 | 20.0488 | 20.4320 | 20.2269 | +0.59% |
先週の為替相場サマリー
小幅にドル安、円安が進行
USD/JPY
- ドル円は小幅に上昇。1ドル=134.90円からスタートし、先週からの流れを引き継ぎ火曜日に円安が強まると、水曜日には136.71円の高値をつけた。ただしその後はドル売りを主因とした調整地合いが強まり、木曜日に週初の水準まで値を戻すと、金曜日には一時134.27円まで下落する局面も見られた。週末に掛けては再び買い戻され、結局週初よりやや上の135.17円でクローズ。
EUR/USD
- ユーロは上昇。1ユーロ=1.0472ドルからスタートすると、ドイツの強いインフレ圧力や、ラガルドECB総裁の7月&9月利上げ発言を受けてじりじりと上昇し、水曜日に一時1.0606をつけた。木曜日はパウエルFRB議長からインフレ対策を優先させる発言が聞かれ、ユーロ売りドル買いが強まる局面もあったが、週末まで底堅い展開が続き、1.0554でクローズ。
USD/CNH
- 小幅にドル売り、人民元買いが進行。1ドル=6.7085元からスタートすると、週初こそ下を試し6.6690まで下落する局面も見られたが、水曜日に掛けてはドル買いが強まり6.7342まで上昇した。ただし人民元買いのフローも根強く、そこからはじりじりとドル売り人民元買いへ傾き、結局6.6826まで値を切り下げてクローズ。
先週のできごと
①ドイツやイギリスなどで高いインフレ圧力が確認、②メキシコやフィリピンが追加利上げ、③米住宅指標は強弱入り混じる
20日
- 米国祝日(奴隷解放記念日)
- ドイツ5月生産者物価指数(PPI) +33.6%(強いインフレ圧力)
- 核兵器禁止条約の第1回締約国会議は3日目の日程を終え閉幕した。採択した締約国の「行動計画」は、核拡散防止条約(NPT)との補完関係を強調することで、国際的な協力を進める方針を示した。核廃絶に向けた「政治宣言」も採択し、ウクライナ侵攻で核兵器使用をちらつかせて威嚇するロシアを念頭に「いかなる核の威嚇も非難する」とした。
- 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が7月と9月に利上げする方針を示した。
21日
- ユーロ4月経常収支 ▲58億ユーロ
- 香港5月消費者物価指数(CPI) +1.2%
- 米国5月中古住宅販売件数 ▲3.4% 年率換算販売件数541万件(弱い数値)
22日
- 参院選公示(7月10日投開票)
- 英国5月消費者物価指数(CPI) +9.1%(強いインフレ圧力)
- 南ア5月消費者物価指数(CPI) +6.5%(強いインフレ圧力)
- カナダ5月消費者物価指数(CPI) +7.7%(強いインフレ圧力)
- パウエル議長は「過去1年、インフレ率は明らかに予想外に上振れており、一段のサプライズが待ち受けている可能性がある」と物価高騰への警戒を強調した。継続的な利上げが適切だと指摘し、インフレ抑制に機敏に対応する方針を強調した。
- アフガニスタン東部でマグニチュード(M)5.9の地震があった。震源の深さは約10キロ。イスラム主義組織タリバン暫定政権によると、千人超が死亡、1500人以上が負傷した。
23日
- シンガポール5月消費者物価指数(CPI) +5.6%(強いインフレ圧力)
- フランス6月PMI 製造業51.0 サービス業54.4
- ドイツ6月PMI 製造業52.0 サービス業52.4
- ノルウェー中銀は政策金利を0.50%引き上げ1.25%に設定
- ユーロ圏6月PMI 製造業52.0 サービス業52.8
- 英国6月PMI 製造業53.4 サービス業53.4
- 米国前週分新規失業保険申請件数 22.9万件
- 米国6月PMI 製造業52.4 サービス業51.6
- メキシコ中銀は政策金利を0.75%引き上げ7.75%に設定
- パウエル議長は米議会証言で、「我々がインフレと戦う姿勢は無条件」と述べるなど、景気より物価安定を優先する姿勢を示した。
- フィリピン中央銀行は23日の金融政策決定会合で、政策金利である翌日物借入金利を年2.25%から2.5%に引き上げることを決めた。利上げは2会合連続となる。
- 中国南部の広東省などで大雨による水害が発生している。山間部を中心に住居や畑などが水没する被害が出ており、被災者は数百万人に達する。
24日
- ロシアのウクライナ侵攻から4カ月
- 日本5月全国消費者物価指数 +2.5%(じわりと上昇圧力が掛かっている)
- 日本5月企業向けサービス価格指数 +1.8%
- ドイツ6月IFO企業景況感指数 92.3
- 米国5月新築住宅販売件数 +10.7% 年率換算件数69.6万件(強い数値)
- 中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は独占禁止法の改正案を可決した。中国国営の新華社が報じた。ネット大手の統制を強化し、届け出義務などの違反に対して厳罰化することが骨子。習近平(シー・ジンピン)指導部は4月に統制緩和の意向を示したが、ネット企業を管理する方針に変わりはないことが浮き彫りとなった。
- EU首脳は23~24日の首脳会議で、ウクライナとモルドバに加盟候補国の地位を与えると決めた。実際の加盟には時間がかかるが、EUはウクライナを自らの勢力圏に取り込み、ロシアに対峙する姿勢を鮮明にした。
経済用語解説
- GDP=Gross Domestic Product(国内総生産):高成長が良い
- CPI=Consumer Price Index(消費者物価指数):2%目標を掲げる先進国が多い
- PCE=Personal Consumption Expenditures:個人消費支出、消費者物価と相関が高い
- PPI=Producer Price Index(生産者物価指数):CPIに影響を与える
- PMI=Purchasing Manager Index(購買担当者景気指数):50が基準
- ZEW=Leibniz Centre for European Economic Research(欧州経済研究センター):0が基準
- NAHB=National Association of Home Builder:50が基準
- ニューヨーク連銀製造業景気指数:0が基準
- フィラデルフィア連銀製造業景気指数:0が基準
- リッチモンド連銀製造業指数:0が基準
- シカゴ購買部協会景気指数:50が基準
- ミシガン大学消費者態度指数:1966年を100として指数化
- S&P/ ケース・シラー住宅価格指数は、「20大都市圏住宅価格指数」がよく利用されている。景気に大きな影響がある住宅市場の動向を確認する上で重要な指標。
- 住宅販売保留指数:売買契約は終わっているが、引渡しが済んでいない物件数を指数化
- 欧州消費者信頼感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(速報の発表は前月比で報告される)
- 欧州景況感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(発表は実数で報告される)
- 消費者信頼感指数:1985年を100として指数化したもの
- 日本景気動向指数:2015年を100として指数化したもの
- 日本景気ウォッチャー調査:50が基準
- 日本法人企業景気予測調査:0が基準
※物価指数とマネー統計は前年同月比、GDPは前期比、特段の記載がない経済指標は前月比または当月の数値
注目の経済指標と政治イベント
注目は、①ユーロ圏6月消費者物価指数、②米6月ISM景況指数、③外国為替の実施状況確認
27日
- 主要7カ国首脳会議(G7サミット)(26日~28日まで、ドイツ・エルマウ)
- 21:30 米5月耐久財受注
- 21:30 米5月住宅販売保留指数
- 26:30 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、発言
28日
- 15:45 フランス6月消費者信頼感指数
- 17:00 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、発言
- 21:30 米5月卸売在庫
- 23:00 米6月消費者信頼感指数
- 23:00 6月リッチモンド連銀製造業指数
29日
- NATO首脳会議(30日まで)
- 14:00 日本6月消費者態度指数・一般世帯
- 21:00 ドイツ6月消費者物価指数
- 22:30 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、発言
- 22:30 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
30日
- OPECプラス閣僚会議
- 08:50 日本5月鉱工業生産
- 10:30 中国6月製造業購買担当者景気指数(PMI)
- 14:00 日本5月新設住宅着工戸数
- 15:00 ドイツ5月輸入物価指数
- 15:00 ドイツ5月小売売上高
- 15:45 フランス6月消費者物価指数
- 16:30 スウェーデン中銀、政策金利
- 16:55 ドイツ6月失業率
- 19:00 日本、外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
- 21:30 米5月個人消費支出(PCE)
- 21:30 米前週分新規失業保険申請件数
- 22:45 6月シカゴ購買部協会景気指数
1日
- 英国から中国への香港返還から25年
- 08:30 6月東京都区部消費者物価指数
- 08:30 日本5月失業率
- 08:50 4-6月期日銀短観・四半期大企業業況判断
- 10:45 中国6月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)
- 18:00 ユーロ圏6月消費者物価指数
- 23:00 米6月ISM製造業景況指数
来週以降
- 7月21日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 7月21日:ECB
- 7月27日:FOMC
- 9月8日:ECB
- 9月21日:FOMC(経済予測データ付き)
- 9月22日:日銀金融政策決定会合
- 10月27日:ECB
- 10月28日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 11月2日:FOMC
- 11月8日:米中間選挙の投開票
- 12月14日:FOMC(経済予測データ付き)
- 12月15日:ECB
- 12月20日:日銀金融政策決定会合
本コンテンツの続き
- 注目の経済指標と政治イベント
- 先週の通貨強弱
- グローバルマクロ環境の整理
- チャート分析
- 今週の戸田の相場見通し
- 動画解説
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