目次
先週の為替相場レンジ(変動範囲)
始値 | 安値 | 高値 | 終値 | 変化率 | |
---|---|---|---|---|---|
USD/JPY | 136.02 | 135.99 | 139.38 | 138.53 | +1.85% |
EUR/USD | 1.0173 | 0.9952 | 1.0184 | 1.0087 | ▲0.85% |
EUR/JPY | 138.46 | 137.02 | 139.90 | 139.74 | +0.92% |
USD/CNH | 6.6839 | 6.6839 | 6.7917 | 6.7566 | +1.09% |
CNH/JPY | 20.37 | 20.25 | 20.64 | 20.50 | +0.63% |
先週の為替相場サマリー
ドル高、円安
USD/JPY
- ドル円は大きく上昇。1ドル=136.02円からスタートすると、週末の参院選における与党の議席拡大を受けて週初は円売りが優勢、137円台まで上昇。その後は落ち着いた値動きが続いたが、水曜日に米6月消費者物価の高止まりが確認されるとドル買いが強まり、木曜日のNY時間に掛けて139.38円の高値を記録した。週末は利食い売り優勢となり138.54円まで値を戻してクローズ。
EUR/USD
- ユーロは一時パリティ割れを記録。1ユーロ=1.0173ドルからスタートし、先週の流れを引き継ぎユーロ売り優勢となった。火曜日、水曜日とパリティ(1.00)割れを試したが、この時点では買いが優勢となり、一時は1.01まで買い戻される局面もあった。木曜日に3度目の正直で1.00を割り込むと、一時0.9952まで下落。その後はユーロを含め、諸通貨の買い戻しが優勢となり、1.0087でクローズ。
USD/CNH
- ドル買い優勢。1ドル=6.6839元からスタートし、底堅い米経済指標を背景に、ドルじり高の展開が続き、木曜日のNY時間には6.7917の高値をつけた。週末に掛けてはやや値を戻し、6.7566でクローズ。
先週のできごと
①各国中銀が追加利上げへと動いた、②鈴木財務相はG20で為替介入の方針を確認、③強い米経済と、弱いユーロ圏経済
11日
- 日本6月マネーストックM2 +3.3%
- 日本5月機械受注 ▲5.6%
- ノルウェー6月消費者物価指数 +6.3%
- 黒田東彦総裁は、「感染症やウクライナ情勢、資源価格や海外経済の動向など、わが国経済を巡る不確実性はきわめて高い」と述べた。
12日
- 日本6月国内企業物価指数 +9.2%(強いインフレ圧力)
- ドイツ7月ZEW景況感調査 ▲53.8(弱い)
- ユーロ圏7月ZEW景況感調査 ▲51.1(弱い)
- ハンガリー国立銀行(中央銀行)は金融理事会で、主要な政策金利である基準金利を2%引き上げ、年9.75%とすることを決めた。
13日
- 中国6月貿易収支 +979.4億ドル(弱い)
- ユーロ圏5月鉱工業生産 +0.8%
- 米国6月消費者物価指数 +9.1%(強いインフレ圧力)
- 米国6月月次財政収支 ▲888億ドル
- 米連邦準備理事会(FRB)は地区連銀経済報告(ベージュブック)で、5月中旬以降、米経済は「穏やかに拡大したが、一部で需要に減速の兆しがみられた」と総括した。
- 米セントルイス連銀のジェームス・ブラード総裁は通常の3倍にあたる0.75%の利上げを26~27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で支持すると明言した。
- カナダ銀行(中央銀行)は政策金利である翌日物金利の誘導目標を1%引き上げ、2.5%にしたと発表した。利上げは4会合連続。
- 韓国銀行(中央銀行)は定例の金融通貨委員会を開き、政策金利を0.50%引き上げ、2.25%に設定した。同行初となる通常の2倍の利上げ幅で、アジア通貨危機以来となる23年ぶりの物価高騰を抑え込む狙い。
- スリランカのウィクラマシンハ首相は同国全土に非常事態宣言を発令した。辞任の意向を示していたラジャパクサ大統領が同日に軍用機で国外に脱出した。
14日
- 日本5月設備稼働率 ▲9.2%
- スウェーデン6月消費者物価指数 +8.7%
- 米国6月卸売物価指数 +11.3%
- 米国前週分新規失業保険申請件数 24.4万件
- 松野博一官房長官は外国為替市場で円が下落し、一時1ドル=138円台を付けたのを踏まえ「急速な円安の進行が見られ憂慮している」と述べた。
- 南米チリの中央銀行は、250億ドル(3兆5000億円)規模の為替市場介入策に乗り出す方針を示した。18日から9月30日まで実施する。自国通貨ペソが過去最安値を更新しており、インフレが一段と加速するのを防ぐ狙いだ。
- フィリピン中央銀行は政策金利である翌日物借入金利を0.75%引き上げ、年3.25%にすると発表した。
- シンガポール金融通貨庁(MAS)は金融政策を引き締め方向に変更したと発表した。引き締めは2021年10月、22年1月、4月に続いて4回連続。※MASは為替レートでインフレを調整するので、シンガポールドル高に舵を切ります。
15日
- 中国6月小売売上高 +14.7%(強い)
- 中国6月鉱工業生産(前年同月比) +3.9%
- 中国4-6月期四半期国内総生産(GDP) ▲2.6%(弱い)
- ユーロ圏5月貿易収支 ▲263億ユーロ
- 米国6月小売売上高 +1.0%(強い)
- 7月ニューヨーク連銀製造業景気指数 11.1
- 米国6月鉱工業生産 ▲0.2%
- 米国5月企業在庫 +1.4%
- 7月ミシガン大学消費者態度指数 51.1
- バイデン米大統領は、サウジアラビアでサルマン国王やムハンマド皇太子らと会談し、ウクライナ侵攻で不安定な値動きが続く原油の増産を要請した。
- 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では対ロシア、対中国の陣営作りを目指す日米欧の苦戦ぶりが浮き彫りになった。新興国はエネルギーや食品の値上がりにつながる経済制裁に慎重だ。
- 鈴木俊一財務相は同日に閉幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、為替動向を巡り「これまでの為替に関する合意が再確認された」と明らかにした。G20はこれまでの会議で「為替相場の過度な変動や無秩序な動きが経済や金融の安定に悪影響を与え得る」との認識を示している。鈴木氏は足元の為替市場の動向について「急激な変動が見られ、高い緊張感を持って注視する必要がある」と重ねて強調した。
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新型コロナウイルスの新規感染者は全国でおよそ11万600人となり、1日あたりで過去最多となった。
経済用語解説
- GDP=Gross Domestic Product(国内総生産):高成長が良い
- CPI=Consumer Price Index(消費者物価指数):2%目標を掲げる先進国が多い
- PCE=Personal Consumption Expenditures:個人消費支出、消費者物価と相関が高い
- PPI=Producer Price Index(生産者物価指数):CPIに影響を与える
- PMI=Purchasing Manager Index(購買担当者景気指数):50が基準
- ZEW=Leibniz Centre for European Economic Research(欧州経済研究センター):0が基準
- NAHB=National Association of Home Builder:50が基準
- ニューヨーク連銀製造業景気指数:0が基準
- フィラデルフィア連銀製造業景気指数:0が基準
- リッチモンド連銀製造業指数:0が基準
- シカゴ購買部協会景気指数:50が基準
- ミシガン大学消費者態度指数:1966年を100として指数化
- S&P/ ケース・シラー住宅価格指数は、「20大都市圏住宅価格指数」がよく利用されている。景気に大きな影響がある住宅市場の動向を確認する上で重要な指標。
- 住宅販売保留指数:売買契約は終わっているが、引渡しが済んでいない物件数を指数化
- 欧州消費者信頼感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(速報の発表は前月比で報告される)
- 欧州景況感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(発表は実数で報告される)
- 消費者信頼感指数:1985年を100として指数化したもの
- 日本景気動向指数:2015年を100として指数化したもの
- 日本景気ウォッチャー調査:50が基準
- 日本法人企業景気予測調査:0が基準
※物価指数とマネー統計は前年同月比、GDPは前期比、特段の記載がない経済指標は前月比または当月の数値
注目の経済指標と政治イベント
注目は、①日欧の金融政策決定会合、②各国の消費者物価指数、③米国の住宅関連指標
18日
- 日本祝日(海の日)
- 29:00 5月対米証券投資
- 欧州連合(EU)外相理事会(ブリュッセル)
19日
- 21:30 米6月住宅着工件数
- 21:30 米6月建設許可件数
- ロシア、イラン、トルコの3カ国が首脳会談(テヘラン)
20日
- 中国最優遇貸出レート(LPR)公表
- 15:00 英国6月消費者物価指数
- 15:00 ドイツ6月生産者物価指数
- 17:00 南ア6月消費者物価指数
- 21:30 カナダ6月消費者物価指数
- 23:00 米6月中古住宅販売件数
- 23:00 ユーロ圏7月消費者信頼感
21日
- 08:50 日本6月貿易統計
- 正午頃 日銀金融政策決定会合
- 15:30 黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
- 21:15 欧州中央銀行(ECB)政策金利
- 21:30 前週分新規失業保険申請件数
- 21:30 7月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
- 21:45 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
- 23:00 米6月景気先行指標総合指数
- 英保守党の党首選で決選投票に向け候補者を2人に絞り込み
22日
- 08:30 日本6月全国消費者物価指数
- 08:50 前週分対外対内証券売買契約等の状況
- 16:15 フランス7月製造業購買担当者景気指数
- 16:30 ドイツ7月製造業購買担当者景気指数
- 17:00 ユーロ圏7月製造業購買担当者景気指数
- 22:45 米7月製造業購買担当者景気指数
来週以降
- 7月27日:FOMC
- 9月8日:ECB
- 9月21日:FOMC(経済予測データ付き)
- 9月22日:日銀金融政策決定会合
- 10月27日:ECB
- 10月28日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 11月2日:FOMC
- 11月8日:米中間選挙の投開票
- 12月14日:FOMC(経済予測データ付き)
- 12月15日:ECB
- 12月20日:日銀金融政策決定会合
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