目次
先週の為替相場レンジ(変動範囲)
始値 | 安値 | 高値 | 終値 | 変化率 | |
---|---|---|---|---|---|
USD/JPY | 133.23 | 130.43 | 135.51 | 134.97 | +1.31% |
EUR/USD | 1.0218 | 1.0123 | 1.0294 | 1.0181 | ▲0.37% |
EUR/JPY | 136.15 | 133.42 | 137.79 | 137.41 | +0.93% |
USD/CNH | 6.7507 | 6.7448 | 6.7954 | 6.7677 | +0.25% |
CNH/JPY | 19.73 | 19.21 | 20.02 | 19.94 | +1.06% |
先週の為替相場サマリー
週初は円買い優勢、週中頃から円売りが再燃
USD/JPY
- ドル円は乱高下しつつも大きく上昇。週初は1ドル=133.23円からスタートすると、先週からの円買いの流れを引き継ぎ下落。ペロシ米下院議長の訪台で台湾における軍事的な緊張感が高まる中、火曜日の東京時間に130.43円の安値を記録する。ただ、その後は短期的に行き過ぎた円買いを是正するように円売りが優勢となり134.50円前後まで激しく買い戻された。週末に米7月雇用統計の発表を控える中、このレベルでは売りが優勢となり、結局133円丁度レベルで同イベントを迎えると、発表された数値が非常に強く、市場はドル買いで反応。134.50の抵抗を上抜けると、135.51円まで上昇し、やや反落した134.97円でクローズ。
EUR/USD
- ユーロは小幅に下落。1ユーロ=1.0218ドルからスタートし、週初はユーロ買い戻しが優勢で火曜日東京時間に1.0294まで上昇した。ただしその後はユーロ売りが優勢で水曜日のNY時間に発表された米7月ISM非製造業景況指数において強さが確認されると、1.0123までユーロ売りが加速した。週末に掛けては再度ユーロが買い戻される展開となったが、強い米7月雇用統計を受けて再びユーロ売りが優勢となると、1.0182と週初より小幅に安い水準でクローズ。
USD/CNH
- ドル人民元は小幅にドル買い優勢。1ドル=6.7507元からスタートし、週初はドル買いが強く、火曜日東京時間に6.7954を記録。ただしこのレベルではドル売りが入り、次第に値を切り下げる展開となった。週末の米7月雇用統計前に今週の安値6.7448まで値を下げたが、強い米7月雇用統計を受けてドルが買い戻され6.7677でクローズ。おそらく中国人民銀行による急なドル買いに対する為替介入が行われており、上値が抑えられる展開が続いている。
先週のできごと
①ペロシ下院議長の訪台と中国の反発、②米国の強い雇用と、悪くない経済指標、③オーストラリアや英国、ブラジルの追加利上げ
1日
- 中国7月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI) 50.4
- ドイツ6月小売売上高 ▲1.6%
- ユーロ圏6月失業率 6.6%
- 米国7月ISM製造業景況指数 52.8(弱くはない数値)
- 米国6月建設支出(前月比) ▲1.1%
- バイデン米大統領はホワイトハウスで演説し、国際テロ組織アルカイダの指導者、アイマン・ザワヒリ容疑者をアフガニスタンで殺害したと発表した。
2日
- 日本7月マネタリーベース +2.8%
- 豪準備銀行(中央銀行)は政策金利を0.50%引き上げ、1.85%に設定
- ペロシ米下院議長は2~3日に訪台し、3日には台湾の蔡総統らと会談。蔡氏に「米国は揺るぎない決意で台湾と世界の民主主義を守る」と語った。蔡氏は「自衛力を高め、台湾海峡の平和と安定に努力する」と述べた。
- 中国人民解放軍はペロシ米下院議長の台湾訪問に反発し、2日夜から軍事演習を始めた。
- シカゴ連銀のエバンス総裁は、9月に予定されている次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げ幅について「0.5%が妥当だ」と語った。
3日
- 中国7月Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI) 55.5
- ドイツ6月貿易収支 64億ユーロ
- ユーロ圏6月卸売物価指数(PPI) +35.7%(強いインフレ圧力)
- ユーロ圏6月小売売上高 +0.0%
- 米国MBA住宅ローン申請指数 +1.2%
- 米国7月ISM非製造業景況指数 56.7(強い数値)
- 米国6月製造業新規受注 +2.0%
- ブラジル中央銀行は金融政策決定会合で、政策金利を0.5%引き上げて13.75%にすると決めた。利上げは12会合連続。
- 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国でつくる「OPECプラス」は、9月に原油を日量10万バレル増産すると決めた。
4日
- ドイツ6月製造業新規受注 ▲0.4%
- イングランド銀行(BOE、英中央銀行)は政策金利を0.50%引き上げ1.75%に設定
- 米国6月貿易収支 ▲796億ドル
- 米国前週分新規失業保険申請件数 26.0万件
5日
- 日本6月景気先行指数 100.6
- ドイツ6月鉱工業生産 +0.4%
- フランス6月鉱工業生産 +1.4%
- 米国7月雇用統計 雇用者数増減+52.8万人 失業率3.5%(強い数値)
- 米連邦準備理事会(FRB)のボウマン理事は、7月に実施した0.75%の利上げについて、今後も「物価上昇率の持続的な低下が確認できるまで同程度の利上げを検討すべきだ」と述べた。
-
ペロシ米下院議長の訪台に反発する中国が、台湾への軍事威嚇を続けている。中国人民解放軍で台湾方面を担当する東部戦区は台湾の空・海域で「陸地攻撃」を重点においた演習を行ったと発表した。台湾本島への侵攻を念頭に置いているとみられる。
経済用語解説
- GDP=Gross Domestic Product(国内総生産):高成長が良い
- CPI=Consumer Price Index(消費者物価指数):2%目標を掲げる先進国が多い
- PCE=Personal Consumption Expenditures:個人消費支出、消費者物価と相関が高い
- PPI=Producer Price Index(生産者物価指数):CPIに影響を与える
- PMI=Purchasing Manager Index(購買担当者景気指数):50が基準
- ZEW=Leibniz Centre for European Economic Research(欧州経済研究センター):0が基準
- NAHB=National Association of Home Builder:50が基準
- ニューヨーク連銀製造業景気指数:0が基準
- フィラデルフィア連銀製造業景気指数:0が基準
- リッチモンド連銀製造業指数:0が基準
- シカゴ購買部協会景気指数:50が基準
- ミシガン大学消費者態度指数:1966年を100として指数化
- MBA住宅ローン申請指数:前週比で住宅ローン申請件数を測定
- S&P/ ケース・シラー住宅価格指数は、「20大都市圏住宅価格指数」がよく利用されている。景気に大きな影響がある住宅市場の動向を確認する上で重要な指標。
- 住宅販売保留指数:売買契約は終わっているが、引渡しが済んでいない物件数を指数化
- 欧州消費者信頼感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(速報の発表は前月比で報告される)
- 欧州景況感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(発表は実数で報告される)
- 消費者信頼感指数:1985年を100として指数化したもの
- 日本景気動向指数:2015年を100として指数化したもの
- 日本景気ウォッチャー調査:50が基準
- 日本法人企業景気予測調査:0が基準
※物価指数とマネー統計は前年同月比、GDPは前期比、特段の記載がない経済指標は前月比または当月の数値
注目の経済指標と政治イベント
注目は、①米中の物価指数、②日本の国際収支
8日
- 08:50 日本国際収支
- 14:00 日本7月景気ウォッチャー調査
9日
- 08:50 日本7月マネーストックM2
- 21:30 米国4-6月期四半期非農業部門労働生産性
10日
- 08:50 日本7月国内企業物価指数
- 10:30 中国7月消費者物価指数
- 10:30 中国7月生産者物価指数
- 21:30 米国7月消費者物価指数
- 23:00 米国6月卸売売上高
11日
- 日本祝日(山の日)
- 21:30 米国7月卸売物価指数
- 21:30 前週分新規失業保険申請件数
- メキシコ中銀、政策金利
12日
- 15:00 英国4-6月期四半期国内総生産
- 18:00 ユーロ圏6月鉱工業生産
- 21:00 インド7月消費者物価指数
- 23:00 8月ミシガン大学消費者態度指数
来週以降
- 9月8日:ECB
- 9月21日:FOMC(経済予測データ付き)
- 9月22日:日銀金融政策決定会合
- 10月27日:ECB
- 10月28日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 11月2日:FOMC
- 11月8日:米中間選挙の投開票
- 12月14日:FOMC(経済予測データ付き)
- 12月15日:ECB
- 12月20日:日銀金融政策決定会合
本コンテンツの続き
- 注目の経済指標と政治イベント
- 先週の通貨強弱
- グローバルマクロ環境の整理
- チャート分析
- 今週の戸田の相場見通し
- 動画解説
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