目次
先週の為替相場レンジ(変動範囲)
始値 | 安値 | 高値 | 終値 | 変化率 | |
---|---|---|---|---|---|
USD/JPY | 137.65 | 137.57 | 140.80 | 140.21 | +1.86% |
EUR/USD | 0.9984 | 0.9912 | 1.0079 | 0.9955 | ▲0.29% |
EUR/JPY | 137.30 | 137.01 | 140.77 | 139.59 | +1.67% |
USD/CNH | 6.8948 | 6.8886 | 6.9327 | 6.9184 | +0.34% |
CNH/JPY | 19.95 | 19.95 | 20.37 | 20.27 | +1.60% |
先週の為替相場サマリー
円安
USD/JPY
- ドル円は一本調子で上昇。週初は1ドル=137.65円からスタートすると、先週末の流れを引き継ぎ、週明けオセアニア時間から東京午後までに138.99円まで急上昇。その後、水曜日までは横ばい推移が続いたものの、木曜日となり9月入りすると再び円売りが加速し139円を突破、同日のNY時間には140円を突破した。週末に掛けても上昇は止まらず、米8月雇用統計の前後では140.80円の今週高値を記録。発表された雇用統計が弱く、ドル売りが進んだが、ドルは円に対して大きく売られず、高値圏の140.21円でクローズ。
EUR/USD
- ユーロは小幅に下落。1ユーロ=0.9984ドルからスタートし、週明けの欧州時間からはユーロ買戻しが優勢となった。早々に1.00台へと値を戻すと、その後は1.00丁度を挟んでの推移が続いた。水曜日、月末のロンドンフィキシングと呼ばれる、東京仲値のように取引注文が多く集まる時間帯に、一時1.0079の今週高値を記録。しかし大きく流れを変えるには至らず、再び1.00挟みの展開へと戻った。週末に発表された米8月雇用統計が弱くユーロは買いもどされたが、その後、NY後場に掛けては、米株が売られリスクオフムードが漂う中、次第にユーロ売りが優勢となり、0.9955まで値を下げ、クローズ。
USD/CNH
- 小幅にドル高、人民元安が進行。1ドル=6.8948元からスタートすると、週初は勢いよくドルが買われ、6.9327の今週高値を記録。ただその後は、上値が重く、6.90~6.92をコアレンジとした、方向感のない相場展開が続いた。週末はやや高い6.9184でクローズ。
先週のできごと
①ロシアと地理的に近く、資源依存度の高いユーロ圏の強いインフレ圧力が確認された、②円安が加速し1米ドルが140円、1シンガポールドルが100円に到達
29日
- 英国祝日
30日
- 日本7月失業率 +2.6%
- ドイツ8月消費者物価指数 +7.9%(強いインフレ圧力)
- 米国6月住宅価格指数 +0.1%
- 6月ケース・シラー米住宅価格指数 +0.41%
- 米国8月消費者信頼感指数 95.3
- 旧ソ連最後の最高指導者で初代ソ連大統領となったミハイル・ゴルバチョフ氏が死去した。
31日
- 日本7月鉱工業生産 +1.0%
- 中国8月製造業購買担当者景気指数 49.4
- フランス8月消費者物価指数 +5.8%(強いインフレ圧力)
- ドイツ8月失業率 5.5%
- ユーロ圏8月消費者物価指数 +9.1%(強いインフレ圧力)
- 日本外国為替平衡操作の実施状況 令和4年7月28日~令和4年8月29日における外国為替平衡操作額は0 円
- 米国8月ADP雇用統計 13.2万人
- 8月シカゴ購買部協会景気指数 52.2
- ミャンマー中央銀行は外国為替市場に介入し、2億ドル(約280億円)以上の外貨を供給すると発表した。「原油高による物価上昇を抑制するため」としており、下げ足を速める自国通貨チャットを買い支える構え。
- バングラデシュはロシア産の割安な燃料油の輸入を検討し始めた。外貨準備の減少を食い止め、揺らぐ経済を立て直すためだ。
1日
- 中国8月Caixin製造業購買担当者景気指数 49.5(基準の50割れ)
- ドイツ7月小売売上高 +1.9%
- スイス8月消費者物価指数 +3.4%
- ユーロ圏7月失業率 +6.6%
- 米国8月チャレンジャー人員削減数 ▲20.6%
- 前週分新規失業保険申請件数 23.2万件
- 米国8月ISM製造業景況指数 52.8
- 米国7月建設支出 ▲0.4%
2日
- 日本8月マネタリーベース +0.4%(増加ペースは鈍化)
- ユーロ圏7月卸売物価指数 +37.9%
- 米国8月雇用統計 失業率3.7% 非農業部門雇用者数増減+31.5万人
- 米国7月製造業新規受注 ▲1.0%
- 主要7カ国(G7)の財務相はロシア産石油の輸入価格に上限を設ける措置を12月5日に導入することで合意した。上限を超える石油の海上輸送に保険会社が保険サービスを提供することを禁じる。
- ロシア国営の天然ガス会社ガスプロムは欧州向けガスパイプライン「ノルドストリーム」での供給再開を当面延期すると発表した。背景には欧米による対ロシア制裁への反発がある。主要7カ国(G7)の財務相が合意したロシア産石油の輸入価格上限設定に対抗措置を取った可能性も否定できない。
- イエレン米財務長官はロシアが新興国などに対して石油を大幅に割引していると明らかにした。主要7カ国(G7)がロシア産石油の輸入価格に上限を設けることを見越し、販売先の確保に動いたとみられる。
- 外国為替市場で円が対シンガポールドルで下落し、一時節目となる1シンガポールドル=100円台を付けた。
経済用語解説
- GDP=Gross Domestic Product(国内総生産):高成長が良い
- CPI=Consumer Price Index(消費者物価指数):2%目標を掲げる先進国が多い
- PCE=Personal Consumption Expenditures:個人消費支出、消費者物価と相関が高い
- PPI=Producer Price Index(生産者物価指数):CPIに影響を与える
- PMI=Purchasing Manager Index(購買担当者景気指数):50が基準
- ZEW=Leibniz Centre for European Economic Research(欧州経済研究センター):0が基準
- NAHB=National Association of Home Builder:50が基準
- ニューヨーク連銀製造業景気指数:0が基準
- フィラデルフィア連銀製造業景気指数:0が基準
- リッチモンド連銀製造業指数:0が基準
- シカゴ購買部協会景気指数:50が基準
- ミシガン大学消費者態度指数:1966年を100として指数化
- MBA住宅ローン申請指数:前週比で住宅ローン申請件数を測定
- S&P/ ケース・シラー住宅価格指数は、「20大都市圏住宅価格指数」がよく利用されている。景気に大きな影響がある住宅市場の動向を確認する上で重要な指標。
- 住宅販売保留指数:売買契約は終わっているが、引渡しが済んでいない物件数を指数化
- 欧州消費者信頼感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(速報の発表は前月比で報告される)
- 欧州景況感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(発表は実数で報告される)
- 消費者信頼感指数:1985年を100として指数化したもの
- 日本景気動向指数:2015年を100として指数化したもの
- 日本景気ウォッチャー調査:50が基準
- 日本法人企業景気予測調査:0が基準
※物価指数とマネー統計は前年同月比、GDPは前期比、特段の記載がない経済指標は前月比または当月の数値
注目の経済指標と政治イベント
注目は、①ECBの金融政策発表、②OPECやEUなどのエネルギー対応、③日本7月国際収支
5日
- 米国祝日(レイバーデー)
- 石油輸出国機構(OPEC)プラス閣僚協議
- 10:45 中国8月Caixinサービス部門購買担当者景気指数
- 18:00 ユーロ圏7月小売売上高
6日
- 13:30 オーストラリア政策金利発表
- 23:00 米8月ISM非製造業景況指数(総合)
7日
- 正午頃 中国8月貿易収支
- 14:00 日本7月景気指数
- 15:00 ドイツ7月鉱工業生産
- 20:00 MBA住宅ローン申請指数
- 21:30 米国7月貿易収支
- 23:00 カナダ政策金利発表
- 27:00 米地区連銀経済報告
8日
- 08:50 日本7月国際収支
- 14:00 8月景気ウオッチャー調査
- 20:00 メキシコ8月消費者物価指数
- 21:15 欧州中央銀行(ECB)政策金利
- 21:30 前週分新規失業保険申請件数
- 21:45 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
- 22:10 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
9日
- EU臨時エネルギー相理事会(ブリュッセル)
- 10:30 中国8月消費者物価指数
- 10:30 中国8月生産者物価指数
- 15:00 ノルウェー8月消費者物価指数
- 15:45 フランス7月鉱工業生産
- 21:30 カナダ8月雇用統計
- 25:00 ロシア8月消費者物価指数
来週以降
- 9月21日:FOMC(経済予測データ付き)
- 9月22日:日銀金融政策決定会合
- 10月16日~:第20回共産党大会
- 10月27日:ECB
- 10月28日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 11月2日:FOMC
- 11月8日:米中間選挙の投開票
- 12月14日:FOMC(経済予測データ付き)
- 12月15日:ECB
- 12月20日:日銀金融政策決定会合
本コンテンツの続き
- 注目の経済指標と政治イベント
- 先週の通貨強弱
- グローバルマクロ環境の整理
- チャート分析
- 今週の戸田の相場見通し
- 動画解説
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