先週の為替相場レンジ(変動範囲)

始値 安値 高値 終値 変化率
USD/JPY 142.15 141.85 144.96 142.91 +0.53%
EUR/USD 1.0080 0.9944 1.0198 1.0015 ▲0.64%
EUR/JPY 143.68 142.29 145.65 143.13 ▲0.38%
USD/CNH 6.9366 6.9106 7.0425 7.0001 +0.92%
CNH/JPY 20.55 20.35 20.76 20.41 ▲0.62%

先週の為替相場サマリー

米インフレ圧力の高止まりを受けたドル高

USD/JPY

  • ドル円は2度目の145円トライに失敗も、終値ベースでは上昇。週初は1ドル=142.15円からスタートし、中国祝日の影響もあり小動きとなった。注目の集まった火曜日NY時間の米8月消費者物価指数では、事前予想を上回る前年同月比+8.3%であることが確認されドル高が進行、ドル円は144丁度を突破し急上昇した。翌水曜日の東京時間には145円目前の水準に差し掛かったが、このレベルではドル売りが優勢、財務省によるレートチェック(為替介入の予告、実務確認)があったと報じられた。その後は為替介入への警戒感もあいまって円の買い戻しが進み、週末は142.91円でクローズ。

EUR/USD

  • ユーロは下落1ユーロ=1.0080ドルからスタートすると、週初は先週までの流れを引き継ぎユーロ買戻しが優勢で1.0198まで上昇した。その後に、火曜日NY時間の米8月消費者物価指数が公表されると、引き続き米インフレ圧力が強いことから、米利上げ織り込みが高まり、ドル買いが優勢となったため、ユーロは売られた。1.00を挟んでの推移が週末まで続き、1.0015でクローズ。

USD/CNH

  • ドル高、人民元安が継続。1ドル=6.9366元からスタートすると、火曜日NY時間の米8月消費者物価指数を受けてドル高が進行、6.97レベルへと値を切り上げた。その後は小動きが続いたものの、木曜日の欧州時間に意識されていた7.00を突破、週末に掛けては7.0425まで上昇したのち、7.00丁度レベルでクローズ。

 

先週のできごと

①引き続き強い米国のインフレ圧力、②財務省によるレートチェック、③弱い米国の経済指標

12日

  • 中国祝日(中秋節)
  • 尖閣諸島国有化から10年(11日)
  • インド8月消費者物価指数(CPI) +7.0%(強いインフレ圧力)

13日

  • 日本7-9月期四半期法人企業景気予測調査 全産業0.4 製造業1.7
  • 日本8月国内企業物価指数 +9.0%(強いインフレ圧力)
  • ユーロ圏9月ZEW景況感調査 ▲61.9(弱い数値)
  • 米国8月消費者物価指数 +8.3%(強いインフレ圧力)
  • ウクライナ軍の反撃とロシア軍の後退が続いている。ウクライナ東部のルガンスク州のガイダイ知事はロシア軍が同州のクレミンナ市から撤退したと通信アプリに投稿した。
  • ロシアのウクライナ侵攻で、同国軍の反撃が勢いを増している。マリャル国防次官は東部ハリコフ州で6日以降に300以上の集落を奪還し、約15万人を解放したと発表した。米欧はウクライナ軍への武器供与を続け、さらなる進撃を支援している。

14日

  • 日本7月機械受注 +5.3%
  • スウェーデン8月消費者物価指数 +9.8%(強いインフレ圧力)
  • 英国8月消費者物価指数 +9.9%(強いインフレ圧力)
  • 米国8月卸売物価指数 +8.7%(強いインフレ圧力)
  • 岸田文雄首相は経済財政諮問会議で、円安や資源高による輸入物価上昇に関して「海外への所得流出が続く状況を抑制していく必要がある」と述べた。マクロ経済運営では「日本の稼ぐ力を強化する取り組みが重要だ」と強調した。
  • 鈴木俊一財務相は為替介入に関して「予告的にやるものではない。やるときは間髪入れずに瞬時にやる」と述べた。介入の準備のために市場参加者に相場水準を尋ねる「レートチェック」に関しては「あえてコメントしない」と言及を避けた。財務省で記者団の質問に答えた。

15日

  • 日本8月貿易統計 ▲2.82兆円(弱い数値)
  • オーストラリア8月雇用統計 雇用者数増減3.35万人 失業率3.5%
  • ユーロ圏7月貿易収支 ▲340億ユーロ(弱い数値)
  • 9月ニューヨーク連銀製造業景気指数 ▲1.5(弱い数値)
  • 米国8月小売売上高 ▲0.3%(弱い数値)
  • 9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数 ▲9.9(弱い数値)
  • 米国前週分新規失業保険申請件数 21.3万件
  • 米国8月鉱工業生産 ▲0.2%
  • 米国7月企業在庫 +0.6%
  • 国際原子力機関(IAEA)の理事会はウクライナ南部ザポロジエ原子力発電所を占拠しているロシアに対し、退去を求める決議を採択した。安全確保のためIAEAなどが原発周辺の非武装化を求めているが、ロシア側は応じず、重大な事故が起きかねない緊迫した状況が続いている。
  • アルゼンチン中央銀行は政策金利を5.5%引き上げて75%にすると発表した。今年9回目の利上げとなる。通貨安による輸入物価上昇などで加速しているインフレを抑える狙いがある。
  • 中国とロシアが主導する地域協力組織「上海協力機構(SCO)」はウズベキスタンのサマルカンドで首脳会議を開いた。複数の大国や地域統合による「多極的世界秩序」の強化を盛り込んだ共同宣言を採択した。イランが正式に加盟し、10カ国体制に広がることが固まった。

16日

  • 中国8月小売売上高 +1.08%
  • 中国8月鉱工業生産 +4.2%(前年同月比)
  • 9月ミシガン大学消費者態度指数 59.5
  • ロシア中央銀行は金融政策決定会合で、政策金利を年8%から7.5%へ引き下げることを決めた。6会合続けての利下げで、19日から適用する。金融緩和で景気回復につなげる狙い。
  • 鈴木俊一財務相は閣議後の記者会見で、円相場の動向について「高い緊張感を持って注視している」と述べた。最近の外国為替市場に関しては「投機的な動きも背景に急速で一方的な動きが見られ、過度な変動に憂慮している」と語った。今後の対応策として「あらゆる措置を排除せず、必要な対応をとる」とけん制した。
  • 日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)など東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)の参加15カ国はカンボジア北西部のシエムレアプで閣僚会合を開いた。会合後に発表した共同声明は「RCEPが強靱(きょうじん)なサプライチェーン(供給網)の創出に貢献しうる」と明記した。

 

経済用語解説

  • GDP=Gross Domestic Product(国内総生産):高成長が良い
  • CPI=Consumer Price Index(消費者物価指数):2%目標を掲げる先進国が多い
  • PCE=Personal Consumption Expenditures:個人消費支出、消費者物価と相関が高い
  • PPI=Producer Price Index(生産者物価指数):CPIに影響を与える
  • PMI=Purchasing Manager Index(購買担当者景気指数):50が基準
  • ZEW=Leibniz Centre for European Economic Research(欧州経済研究センター):0が基準
  • NAHB=National Association of Home Builder:50が基準
  • ニューヨーク連銀製造業景気指数:0が基準
  • フィラデルフィア連銀製造業景気指数:0が基準
  • リッチモンド連銀製造業指数:0が基準
  • シカゴ購買部協会景気指数:50が基準
  • ミシガン大学消費者態度指数:1966年を100として指数化
  • MBA住宅ローン申請指数:前週比で住宅ローン申請件数を測定
  • S&P/ ケース・シラー住宅価格指数は、「20大都市圏住宅価格指数」がよく利用されている。景気に大きな影響がある住宅市場の動向を確認する上で重要な指標。
  • 住宅販売保留指数:売買契約は終わっているが、引渡しが済んでいない物件数を指数化
  • 欧州消費者信頼感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(速報の発表は前月比で報告される)
  • 欧州景況感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(発表は実数で報告される)
  • 消費者信頼感指数:1985年を100として指数化したもの
  • 日本景気動向指数:2015年を100として指数化したもの
  • 日本景気ウォッチャー調査:50が基準
  • 日本法人企業景気予測調査:0が基準

※物価指数とマネー統計は前年同月比、GDPは前期比、特段の記載がない経済指標は前月比または当月の数値

注目の経済指標と政治イベント

注目は、①米FOMC、②日銀金融政策決定会合、③日本8月全国消費者物価指数

19日

  • 日本、英国、カナダ祝日
  • 岸田首相が米国訪問(22日まで)
  • 9月NAHB住宅市場指数

20日

  • 国連総会(~26日まで)
  • 08:30 日本8月全国消費者物価指数
  • 15:00 ドイツ8月生産者物価指数
  • 21:30 カナダ8月消費者物価指数
  • 21:30 米国8月住宅着工件数
  • 21:30 米国8月建設許可件数

21日

  • 17:00 南ア8月消費者物価指数
  • 20:00 MBA住宅ローン申請指数
  • 23:00 米国8月中古住宅販売件数
  • 27:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)
  • 27:30 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見

22日

  • 12:00 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表
  • 15:30 黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
  • 16:30 スイス国立銀行、金利発表
  • 17:30 香港8月消費者物価指数
  • 20:00 イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
  • 21:30 前週分新規失業保険申請件数

23日

  • 日本祝日
  • 14:00 シンガポール8月消費者物価指数
  • 16:15 フランス9月購買担当者景気指数
  • 16:30 ドイツ9月購買担当者景気指数
  • 17:00 ユーロ圏9月購買担当者景気指数
  • 17:30 英国9月購買担当者景気指数
  • 22:45 米国9月購買担当者景気指数

来週以降

  • 10月16日~:第20回共産党大会
  • 10月27日:ECB
  • 10月28日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
  • 11月2日:FOMC
  • 11月8日:米中間選挙の投開票
  • 12月14日:FOMC(経済予測データ付き)
  • 12月15日:ECB
  • 12月20日:日銀金融政策決定会合

本コンテンツの続き

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