先週の為替相場レンジ(変動範囲)

始値 安値 高値 終値 変化率
USD/JPY 143.40 143.28 144.91 144.75 +0.94%
EUR/USD 0.9685 0.9538 0.9855 0.9799 +1.18%
EUR/JPY 138.98 137.61 142.31 141.84 +2.06%
USD/CNH 7.1330 7.0722 7.2674 7.1415 +0.12%
CNH/JPY 20.10 19.91 20.43 20.27 +0.85%

先週の為替相場サマリー

欧州通貨高、日本円安

USD/JPY

  • ドル円はじり高。週初は1ドル=143.40円からスタートし、下押しは限定的で、じりじりと上昇。早々に144.00円を突破したあとは、144.80円前後では上値重くなったが、下は144.00円前後ではしっかりした買いが入ってくる状況が続き、高値圏の144.75円でクローズを迎えた。市場参加者は上を試したがっている印象。

EUR/USD

  • ユーロは年初来の安値を更新後に英ポンドに連れて上昇1ユーロ=0.9685ドルからスタートすると、週初に英ポンドが急落し史上最安値を更新する中、ユーロもじり安の展開が続き、水曜日に0.9538の年初来安値を記録した。ただその後は英政府による英長期国債買入(年金基金など長期運用主体を保護する政策)が発表され、英市場に落ち着きが見られると、ユーロは反発上昇。週初の水準を大きく超え、0.9853まで買い戻されたのち、0.9799でクローズ。

USD/CNH

  • 人民元は現行の通貨政策に変更して以降の最安値を記録。1ドル=7.1330元からスタートすると、先週の流れを引き継ぎじり高、水曜日には現行の通貨政策に変更して以降の最安値(ドルの最高値)である7.1963をブレイクし、勢いづき一時7.2674を記録。ただしその後は中国人民銀行が逆周期因子(カウンター・シクリカル・ファクター)と呼ばれる、一日の基準点となる基準値を人民元高に意図的に振れさせる仕組みを利用することを公表したことで、目先の人民元安は収束、7.0722まで反落した。週末にかけてはドル買戻しが根強く7.1415まで値を戻して引けるなど、荒い値動きとなった。

 

先週のできごと

①英ポンドが市場最安値を記録、②中国が現行の通貨政策を採用して以降の最安値を記録、③ロシアがウクライナ東・南部の4州を併合すると宣言

26日

  • ドイツ9月IFO企業景況感指数 84.3
  • 伊公共放送RAIによると、イタリアの総選挙は、メローニ党首率いる野党の極右「イタリアの同胞(FDI)」が第1党になる見通し。
  • 鈴木俊一財務相は閣議後の記者会見で、外国為替市場で円相場が円安・ドル高に進んだ場合の対応に関して「今後も必要に応じて対応をとる。その考えに変更はない」と述べた。円安に歯止めがかからなければ、追加の為替介入に踏み切る可能性を示唆した。
  • 英ポンドは対ドルで過去最安値となる1ポンド、1.03ドル台にまで下落した。
  • 世界銀行は東アジア・太平洋地域の新興国の経済見通しを発表した。2022年の中国の実質成長率は2.8%で、4月の前回予測で示した5.0%から大幅に下方修正した。

27日

  • 都内で安倍晋三元首相の国葬が行われた。
  • 日本8月企業向けサービス価格指数 +1.9%
  • 米国8月耐久財受注 ▲0.2%
  • 7月ケース・シラー米住宅価格指数(前年同月比) +16.1%
  • 米国9月消費者信頼感指数 108
  • 9月リッチモンド連銀製造業指数 0
  • 米国8月新築住宅販売件数(年率換算) 68.5万件(悪くない数値)

28日

  • ドイツ10月GFK消費者信頼感調査 ▲42.5
  • MBA住宅ローン申請指数 ▲3.7%
  • バイデン政権は太平洋島諸国首脳会議を通じ、島嶼諸国の海洋安全保障や貿易促進、開発援助などのために今後、計8億1000万ドル(約1170億円)を支出すると発表。
  • 日銀は7月20〜21日に開いた金融政策決定会合の議事要旨を公表した。現在の金融緩和策は人々の物価予想が高まる中で実質金利の低下をもたらしており、「企業の設備投資スタンスの積極化にもつながっている」との意見が複数の委員から出た。金融緩和策の枠組みの修正については「長期金利の上振れなどを通じて経済に下押し圧力となる」との声があった。
  • 中国人民銀行(中央銀行)は設備投資を促すため低利の資金枠を設けると発表した。規模は2000億元(約4兆円)超で、高速通信規格「5G」関連や省エネ・低炭素化など設備の高度化を進める。
  • 28日午前に中国の通貨、人民元が対ドルで一時1ドル=7.23元まで下落した。2005年に現行の通貨制度「管理変動相場制」を導入して以来となる安値水準となった。
  • 英イングランド銀行(中央銀行)が英長期国債を購入すると発表し、欧米の長期金利が大幅に低下した。

29日

  • ドイツ9月消費者物価指数 +10.0%
  • 米国4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、確定値) +2.0%(前期比年率)
  • 米国4-6月期四半期コアPCE・確定値 +4.7%
  • 米国前週分新規失業保険申請件数 19.3万件
  • アジア開発銀行(ADB)の年次総会に出席するためフィリピンを訪問中の鈴木俊一財務相は、外国為替市場で急激に円安・ドル高が進んだ場合は22日に続く為替介入を辞さない考えを示した。「為替の動きには十分に注意しながら、必要があれば必要な措置をとる」と記者団に語った。
  • 中国人民銀行(中央銀行)と中国銀行保険監督管理委員会は、マンション販売が振るわない都市で住宅ローン金利の下限撤廃を容認すると発表した。昨秋から始まった不動産市場の調整が長引くなか、金利規制を大幅に緩めて需要を刺激したい考えだ。
  • 南米コロンビアの中央銀行は金融政策決定会合を開き、政策金利を1%引き上げて10%にすると決めた。利上げは9会合連続。2008年12月の水準に並んだ。
  • メキシコ銀行(中央銀行)は金融政策決定会合を開き、政策金利を0.75%引き上げて9.25%にすると発表した。利上げは11会合連続。
  • 中国人民銀行(中央銀行)が29日から基準値の算出に「逆周期因子(カウンター・シクリカル・ファクター)」と呼ぶ人民元安を抑える仕組みを加えた。

30日

  • 日本8月鉱工業生産 +2.7%
  • 中国9月製造業購買担当者景気指数 50.1
  • 中国9月Caixin製造業購買担当者景気指数 48.1
  • フランス9月消費者物価指数 5.6%(ユーロ圏の中では落ち着いてきている)
  • ドイツ9月失業率 5.5%
  • ユーロ圏9月失業率 6.6%
  • ユーロ圏9月消費者物価指数 10.0%(強いインフレ圧力)
  • 日本、外国為替平衡操作の実施状況(介入実績) 2.84兆円(外貨準備高の約1.51%)
  • 米国8月個人消費支出(PCE) +6.2%(強いインフレ圧力)
  • 9月シカゴ購買部協会景気指数 45.7
  • ロシアのプーチン大統領はモスクワで演説し、ウクライナ東・南部の4州を一方的に併合すると宣言した。強行した住民投票で編入賛成が多数だったと主張し、「編入条約」に署名した。
  • インド準備銀行(中央銀行)は政策金利(レポ金利)を0.5%引き上げて5.9%にすると発表した。利上げは4会合連続。インドでは中銀の許容上限を超える物価上昇が続いており、インフレ抑制に向けて一段の引き締めを決めた。

 

経済用語解説

  • GDP=Gross Domestic Product(国内総生産):高成長が良い
  • CPI=Consumer Price Index(消費者物価指数):2%目標を掲げる先進国が多い
  • PCE=Personal Consumption Expenditures:個人消費支出、消費者物価と相関が高い
  • PPI=Producer Price Index(生産者物価指数):CPIに影響を与える
  • PMI=Purchasing Manager Index(購買担当者景気指数):50が基準
  • ZEW=Leibniz Centre for European Economic Research(欧州経済研究センター):0が基準
  • NAHB=National Association of Home Builder:50が基準
  • ニューヨーク連銀製造業景気指数:0が基準
  • フィラデルフィア連銀製造業景気指数:0が基準
  • リッチモンド連銀製造業指数:0が基準
  • シカゴ購買部協会景気指数:50が基準
  • ミシガン大学消費者態度指数:1966年を100として指数化
  • MBA住宅ローン申請指数:前週比で住宅ローン申請件数を測定
  • S&P/ ケース・シラー住宅価格指数は、「20大都市圏住宅価格指数」がよく利用されている。景気に大きな影響がある住宅市場の動向を確認する上で重要な指標。
  • 住宅販売保留指数:売買契約は終わっているが、引渡しが済んでいない物件数を指数化
  • 欧州消費者信頼感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(速報の発表は前月比で報告される)
  • 欧州景況感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(発表は実数で報告される)
  • 消費者信頼感指数:1985年を100として指数化したもの
  • 日本景気動向指数:2015年を100として指数化したもの
  • 日本景気ウォッチャー調査:50が基準
  • 日本法人企業景気予測調査:0が基準

※物価指数とマネー統計は前年同月比、GDPは前期比、特段の記載がない経済指標は前月比または当月の数値

注目の経済指標と政治イベント

注目は、①米9月雇用統計、②日本、英国、中国などの政府による金融マーケットへの介入、③OPEC閣僚会議

3日

  • 中国が国慶節休暇(~7日まで)
  • 08:50 7-9月期日銀短観
  • 15:30 スイス9月消費者物価指数
  • 16:00 トルコ9月消費者物価指数
  • 23:00 米国9月ISM製造業景況指数

4日

  • 08:50 9月東京都区部消費者物価指数
  • 12:30 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
  • 18:00 ユーロ圏8月卸売物価指数

5日

  • OPECプラス閣僚会議
  • 10:00 ニュージーランド準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利
  • 20:00 米国MBA住宅ローン申請指数
  • 21:15 米国9月ADP雇用統計
  • 21:30 米国8月貿易収支
  • 23:00 米国9月ISM非製造業景況指数

6日

  • EU首脳会議
  • 18:00 ユーロ圏8月小売売上高
  • 20:30 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨
  • 21:30 前週分新規失業保険申請件数

7日

  • 09:30 豪準備銀行(中央銀行)、四半期金融政策報告
  • 15:00 ドイツ8月鉱工業生産
  • 20:00 メキシコ9月消費者物価指数
  • 21:30 カナダ9月雇用統計
  • 21:30 米国9月雇用統計

来週以降

  • 10月16日~:第20回共産党大会
  • 10月27日:ECB
  • 10月28日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
  • 11月2日:FOMC
  • 11月8日:米中間選挙の投開票
  • 12月14日:FOMC(経済予測データ付き)
  • 12月15日:ECB
  • 12月20日:日銀金融政策決定会合

本コンテンツの続き

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