目次
先週の為替相場レンジ(変動範囲)
始値 | 安値 | 高値 | 終値 | 変化率 | |
---|---|---|---|---|---|
USD/JPY | 139.35 | 133.65 | 139.90 | 134.30 | ▲3.62% |
EUR/USD | 1.0373 | 1.0292 | 1.0545 | 1.0540 | +1.61% |
EUR/JPY | 144.75 | 140.63 | 145.01 | 141.59 | ▲2.18% |
USD/CNH | 7.2375 | 7.0049 | 7.2575 | 7.0176 | ▲3.04% |
CNH/JPY | 19.33 | 19.03 | 19.72 | 19.14 | ▲0.98% |
先週の為替相場サマリー
日本円の買い戻し
USD/JPY
- ドル円は12月に入り急落。週初は1ドル=139.35円からスタートし、水曜日の月末まで底堅いドル需要が見られ、139.90円まで上昇した。しかしその後にパウエルFRB議長より「利上げ幅の縮小」が示されると相場は反転、12月に入るとさらに円の買い戻しが進み金曜日の欧州時間には133.65円の今週安値を記録。その後の米11月雇用統計が悪くない数値となったことでドル円は急伸し136円手前まで反発したものの、引けにかけては再度売られて134.30円でクローズ。中国政府のコロナ政策に反発するデモも、円キャリートレードの巻き戻しに拍車を掛けているように思う。
- なお先週末の予想は「なし」。年初来の正答率は66.7%。
EUR/USD
- ユーロは12月に入って上昇。1ユーロ=1.0373ドルからスタートし、水曜日の月末まではドル買いが優勢で1.0292の安値を記録。ただし12月に入ってからはユーロの買戻しが優勢で金曜日の欧州時間に1.0545の高値をつけた。その後に悪くない米11月雇用統計の結果を受けてドル買いが優勢に転じたが、長くは続かず、1.0540と高値圏でクローズ。
- 先週末の予想は「上」で、結果は「〇」。年初来の正答率は60.6%。
USD/CNH
- 人民元の買い戻しが優勢。1ドル=7.2375元からスタートし、週末までほぼ一方向にドル売り、人民元買いが優勢の相場となった。金曜日、米11月雇用統計の前に7.0049の安値を記録したのち、7.0176と安値圏にてクローズ。中国政府のコロナ政策に反発するデモがありながらも、人民元は買いもどされた。
- 先週末の予想は「上」で、結果は「×」。年初来の正答率は64.9%。
先週のできごと
①中国における反コロナ対策デモ、②パウエルFRB議長が利上げ幅の縮小を示唆、③悪くない米11月雇用統計
※物価指数とマネー統計は前年同月比、GDPは前期比、特段の記載がない経済指標は前月比または当月の数値
28日
- 中国・上海で習近平(シー・ジンピン)国家主席の退陣を求めるデモを取材していた英BBC放送の記者兼カメラマンが27日、中国の警察当局に一時拘束された。
- 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が欧州議会で「インフレがピークに達し、迅速に低下していくと思われるような要素や方向性はみられない」と述べた
- 暗号資産(仮想通貨)の貸し付けを手掛ける米ブロックファイが日本の民事再生法に相当する連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請した。裁判所への提出書類によると、総資産と債務総額の推計はともに「10億~100億ドル(約1390億~1兆3900億円)」で、債権者は10万人以上にのぼる。
29日
- ドイツ11月CPI +10.0%(強いインフレ圧力)
- カナダ7-9月期四半期GDP +2.9%(前期比年率)
- 米国7-9月期四半期住宅価格指数 +0.1%(前期比)
- 9月ケース・シラー米住宅価格指数 ▲1.01%
- 米国11月消費者信頼感指数 100.2
- 北大西洋条約機構(NATO)は外相理事会で、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援を軍事・非軍事の両面で拡充することで合意した。ロシアのミサイル攻撃に対応できるよう防空システムを提供するのに加え、厳しい冬に備えて発電機や燃料などの供与を増やす方針だ。
- 米国で開かれた大規模なネットセール「サイバーマンデー」の集計結果がまとまった。米アドビによるとオンラインの売上高は前年比5.8%増の113億ドル(約1.6兆円)で、事前予想を上回った。
30日
- 日本10月鉱工業生産 ▲2.6%
- 中国11月製造業PMI 48.0
- フランス11月CPI +6.2%(強いインフレ圧力)
- ドイツ11月失業率 5.6%
- ユーロ圏11月CPI +10.0%(強いインフレ圧力)
- 米国MBA住宅ローン申請指数 ▲0.8%(前週比)
- 米国11月ADP雇用統計 12.7万人
- 米国10月卸売在庫 +0.8%
- 11月シカゴ購買部協会景気指数 37.2
- 財務省の報告によると、令和4年10月28日~令和4年11月28日における為替介入の実施はなかった
- 北大西洋条約機構(NATO)は外相理事会で、中国がもたらす安全保障上の課題を討議した。中国の軍事・技術開発や欧州周辺への進出についての懸念を共有した上で、重要インフラやサプライチェーン(供給網)の保護などで協力することで合意した。
- 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が講演で、12月にも利上げ幅を縮小する可能性を示唆した。
- 米連邦準備理事会(FRB)は発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、10月中旬以降の米経済の「成長は横ばいだった」と総括した。
- 中国南部の広東省広州市の海珠区で29日に起きたとされる暴動の動画が30日、SNS(交流サイト)で拡散した。
- タイ中央銀行は金融政策委員会で、政策金利(翌日物レポ金利)を0.25%引き上げ、年1.25%にすると決定した。
1日
- 日本全産業設備投資額 +9.8%(前年同月比)
- 中国11月財新PMI 49.4
- スイス11月CPI +3.0%
- ユーロ圏10月失業率 6.5%
- 米国11月チャレンジャー人員削減数 416.5%(ブレの大きな指標ではあるが、削減数の伸びが大幅に上昇している)
- 米国10月個人消費支出(PCE) +6.0%(強いインフレ圧力)
- 米国前週分新規失業保険申請件数 22.5万件
- 米国11月ISM製造業景況指数 49.0
- 訪米中のマクロン仏大統領は北米生産の電気自動車(EV)などを優遇する米国の歳出・歳入法(インフレ抑制法)で生じている問題について「2023年の最初の3カ月間に解決したい」と述べた。
2日
- 日本11月マネタリーベース ▲6.4%
- ユーロ圏10月卸売物価指数 +30.8%
- カナダ11月雇用統計 新規雇用者数増減+1.01万人 失業率5.1%
- 米国11月雇用統計 新規雇用者数増減+26.3万人 失業率3.7% 平均時給+0.6%(悪くない数値)
- ロシア産原油の輸入価格に上限を設ける主要7カ国(G7)の制裁が5日に発動する。欧州連合(EU)は上限を1バレル60ドル(約8000円)とすることで合意し、G7も足並みをそろえる。
- オースティン米国防長官は3日の演説で、米軍の優先課題に触れて「根本的で前例のないアジアへのシフトを実行している」と言明した。「開かれて安定した国境を所与のものとしてはならない」と語り、中国やロシアに危機感を表明した。
注目の経済指標と政治イベント
注目は、①中国の11月物価動向、②米国の11月PPI、③日本の11月マネー統計+10月国際収支
5日
- 石油輸出国機構(OPEC)プラス閣僚協議(4日)
- 10:45 中国11月Caixinサービス部門PMI
- 10:45 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、発言
- 16:00 トルコ11月消費者物価指数
- 19:00 ユーロ圏10月小売売上高
- 24:00 米国11月ISM非製造業景況指数
- 24:00 米国10月製造業新規受注
6日
- 米ジョージア州、上院決選投票
- 12:30 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
- 16:00 ドイツ10月製造業新規受注
- 22:30 米国10月貿易収支
7日
- 正午頃 中国11月貿易収支
- 09:30 オーストラリア7-9月期GDP
- 13:30 インド中銀政策金利
- 14:00 日本10月景気先行指数
- 16:00 ドイツ10月鉱工業生産
- 21:00 米国MBA住宅ローン申請指数
- 24:00 カナダ銀行政策金利
- 30:30 ブラジル中央銀行政策金利
8日
- 08:50 日本10月国際収支
- 21:00 メキシコ11月CPI
- 21:00 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、発言
- 22:30 米国前週分新規失業保険申請件数
9日
- 08:50 日本11月マネーストックM2
- 10:30 中国11月CPI
- 10:30 中国11月PPI
- 16:00 ノルウェー11月CPI
- 21:00 ブラジル11月CPI
- 22:30 米国11月PPI
- 24:00 米国12月ミシガン大学消費者態度指数
- 25:00 ロシア11月CPI
- IPEF高官会合(~15日まで)
来週以降
- 12月14日:FOMC(経済予測データ付き)
- 12月15日:ECB
- 12月20日:日銀金融政策決定会合
- 1月18日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 2月1日:FOMC
- 2月2日:ECB
- 3月10日:日銀金融政策決定会合
- 3月16日:ECB
- 3月22日:FOMC(経済予測データ付き)
- 4月5日:ECB
- 4月28日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 5月3日:FOMC
- 6月14日:FOMC(経済予測データ付き)
- 6月15日:ECB
- 6月16日:日銀金融政策決定会合
- 7月26日:FOMC
- 7月27日:ECB
- 7月28日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 9月14日:ECB
- 9月20日:FOMC(経済予測データ付き)
- 9月22日:日銀金融政策決定会合
- 10月26日:ECB
- 10月31日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 11月1日:FOMC
- 12月13日:FOMC(経済予測データ付き)
- 12月14日:ECB
- 12月19日:日銀金融政策決定会合
経済用語解説
- GDP=Gross Domestic Product(国内総生産):高成長が良い
- CPI=Consumer Price Index(消費者物価指数):2%目標を掲げる先進国が多い
- PCE=Personal Consumption Expenditures:個人消費支出、消費者物価と相関が高い
- PPI=Producer Price Index(生産者物価指数):CPIに影響を与える
- PMI=Purchasing Manager Index(購買担当者景気指数):50が基準
- ZEW=Leibniz Centre for European Economic Research(欧州経済研究センター):0が基準
- NAHB=National Association of Home Builder:50が基準
- ニューヨーク連銀製造業景気指数:0が基準
- フィラデルフィア連銀製造業景気指数:0が基準
- リッチモンド連銀製造業指数:0が基準
- シカゴ購買部協会景気指数:50が基準
- ミシガン大学消費者態度指数:1966年を100として指数化
- MBA住宅ローン申請指数:前週比で住宅ローン申請件数を測定
- S&P/ ケース・シラー住宅価格指数は、「20大都市圏住宅価格指数」がよく利用されている。景気に大きな影響がある住宅市場の動向を確認する上で重要な指標。
- 住宅販売保留指数:売買契約は終わっているが、引渡しが済んでいない物件数を指数化
- 欧州消費者信頼感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(速報の発表は前月比で報告される)
- 欧州景況感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(発表は実数で報告される)
- 消費者信頼感指数:1985年を100として指数化したもの
- 日本景気動向指数:2015年を100として指数化したもの
- 日本景気ウォッチャー調査:50が基準
- 日本法人企業景気予測調査:0が基準
本コンテンツの続き
- 注目の経済指標と政治イベント
- 先週の通貨強弱
- グローバルマクロ環境の整理
- チャート分析
- 今週の戸田の相場見通し
- 動画解説
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