目次
先週の為替相場レンジ(変動範囲)
始値 | 安値 | 高値 | 終値 | 変化率 | |
---|---|---|---|---|---|
USD/JPY | 136.66 | 134.60 | 138.18 | 136.69 | +0.02% |
EUR/USD | 1.0537 | 1.0507 | 1.0735 | 1.0582 | +0.43% |
EUR/JPY | 143.95 | 143.53 | 146.74 | 144.65 | +0.49% |
USD/CNH | 6.9703 | 6.9385 | 7.0020 | 6.9769 | +0.09% |
CNH/JPY | 19.60 | 19.37 | 19.75 | 19.59 | △0.05% |
先週の為替相場サマリー
小幅にユーロ高
USD/JPY
- ドル円は上下に大きく変動。1ドル=136.66円からスタートすると、週初はドル買いが優勢で137.50円レベルで火曜日NY時間の米国11月CPI(消費者物価)を迎えた。発表されたCPIは年率+7.1%とインフレ圧力が鈍化しており、市場は素直にドル売りで反応すると135円を割り込んだ。翌日の欧州時間には一時134.60円と今週安値を記録したが、その後はFOMCに向けてドル買い戻しが優勢となった。注目の集まったFOMCでは、メンバーによるターミナルレート(最大到達地点となる金利)の中央値が5.10%まで引き上げられるなど明確な追加利上げの意向が示されドル高が強まると、木曜日のNY時間には一時138.18円まで上昇した。しかし週末に掛けては弱い米国11月小売売上高や、米国12月PMIを受けてドル売りが優勢となり、136.69円にてクローズ。
- なお先週末の予想は「上」、結果は「〇」。年初来の正答率は67.5%。
EUR/USD
- ユーロは、小幅に上昇。1ユーロ=1.0537ドルからスタートすると、火曜日NY時間の米国11月CPIの結果を受けてユーロ買いが優勢となり1.06台へと上昇。その後は方向感のない展開が続いたが、注目の集まったECBにおいてラガルド総裁が0.50%の利上げ継続を示唆すると、前回ECBにおけるトーンとの違いを明確に察知した市場はユーロ買いで反応し、一時1.0735の今週高値を記録。週末に掛けては上値の重い展開となり、1.0582でクローズ。
- 先週末の予想は「なし」。年初来の正答率は61.8%。
USD/CNH
- 人民元は方向感なく推移。1ドル=6.9703元からスタートし、火曜日NY時間の米国11月CPIの結果を受けてドル売りが優勢となると、翌日の欧州時間で6.9385の今週安値を記録。その後はFOMCに向けてドルの買い戻しが優勢となると、FOMCの結果を受けて一時7.00手前まで上昇した。週末に掛けてはドル売りが優勢で6.9769でクローズ。
- 先週末の予想は「上」で、結果は「〇」。年初来の正答率は66.7%。
先週のできごと
①各国で利上げラッシュ、②ECBとFRBは更なる利上げを示唆、③中国はゼロコロナ政策の緩和を明言
※物価指数とマネー統計は前年同月比、GDPは前期比、特段の記載がない経済指標は前月比または当月の数値
12日
- 日本11月国内企業物価指数 +9.3%(強い物価上昇圧力)
- 英国10月GDP(前月比) +0.5%
- インド11月CPI +5.88%
13日
- 英国11月失業率 +3.9%
- ユーロ圏12月ZEW景況感調査 ▲23.6(弱い景況感)
- 米国11月CPI +7.1%(インフレ圧力は鈍化)
14日
- 10-12月期日銀短観 製造業:7 非製造業:19
- 日本10月機械受注 +5.4%
- 日本10月設備稼働率 +2.2%
- スウェーデン11月CPI +11.5%(根強いインフレ圧力)
- 英国11月CPI +10.7%(根強いインフレ圧力)
- 南ア11月CPI +7.4%(根強いインフレ圧力)
- ユーロ圏10月鉱工業生産 ▲2.0%
- 米国MBA住宅ローン申請指数(前週比) +3.2%
- 米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の利上げを決めた。利上げ幅は4連続で続いた0.75%から小さくなった。減速は今回の利上げ局面で初めて。参加者による2023年末の政策金利見通しは中央値が9月時点の4.6%から5.1%に引き上げられた。
15日
- 日本11月貿易統計 ▲2.02兆円(弱い数値)
- オーストラリア11月雇用統計 新規雇用者数+6.4万人 失業率3.4%(強い数値)
- 中国11月小売売上高 ▲4.1%(弱い数値)
- 中国11月鉱工業生産(前年同月比) +2.2%
- フランス企業景況感指数 102
- スイス国立銀行は政策金利を0.50%引き上げ、1.00%に設定
- ノルゲバンク(ノルウェー中銀)は政策金利を0.25%引き上げ、2.75%に設定
- イングランド銀行(BOE、英中央銀行)は政策金利を0.50%引き上げ、3.50%に設定
- 欧州中央銀行(ECB)は政策金利を0.50%引き上げ、2.50%に設定
- 12月ニューヨーク連銀製造業景気指数 ▲11.2(弱い数値)
- 米国11月小売売上高 ▲0.6%(弱い数値)
- 12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数 ▲13.8(弱い数値)
- 米国11月鉱工業生産 ▲0.2%(弱い数値)
- 米国10月企業在庫 +0.3%
- メキシコ中銀は政策金利を0.50%引き上げ、10.50%に設定
- 日米豪など14カ国が参加する新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の初の交渉官会合がオーストラリア東部ブリスベンで閉幕した。米政府が農業を中心に貿易分野で合意文書の素案を示し、域内で貿易を円滑にするための協議を進めた。
- 米上院は2023会計年度(22年10月~23年9月)の国防予算の大枠を定める国防権限法案を可決した。アジアで米軍の態勢強化に使う基金を前会計年度から6割増やした。米軍と台湾軍との共同訓練の実施を促し、中国に対抗する姿勢を一段と鮮明にした。
- 台湾の中央銀行は定例理事会を開き、政策金利を現行の年1.625%から0.125%引き上げ、1.75%にすると決めた。
- フィリピン中央銀行は金融政策決定会合で、政策金利の翌日物借入金利を0.5%引き上げ、年5.5%に改めると発表した。
- ラガルド総裁は記者会見で、今回の利上げ幅が前回より小幅だったことを「ECBの政策転換だと考えるのは誤りだ」とし、「0.5ポイントのペースが一定期間続くことを見込むべきだ」と述べた。「まだ先へ進まなければならない。これは長期戦だ」と語った。
16日
- 英国11月小売売上高 ▲0.4%
- フランス12月PMI 製造業48.9 サービス業48.1
- ドイツ12月PMI 製造業47.4 サービス業49.0
- ユーロ圏12月PMI 製造業47.8 サービス業49.1
- 英国12月PMI 製造業44.7 サービス業50.0
- ロシア中銀は政策金利を7.50%に据え置き
- 米国12月PMI 製造業44.4 サービス業44.6(弱い数値)
- 南米コロンビアの中央銀行は金融政策決定会合を開き、政策金利を1%引き上げて12%にすると決めた。利上げは11会合連続。
- 中国の習近平(シー・ジンピン)指導部は2023年の経済運営方針を決める「中央経済工作会議」を終えた。新型コロナウイルスを封じ込める「ゼロコロナ」政策の緩和をめぐり「合理化、調整していく」と指摘。今月7日に発表した緩和策に続く追加措置を示唆した。経済の安定成長を重視する考えだ。
注目の経済指標と政治イベント
注目は、①日銀の金融政策決定会合、②米国11月PCEデフレーター、③米国11月住宅関連指標
19日
- 欧州連合(EU)エネルギー相理事会
- 18:00 ドイツ12月IFO企業景況感指数
- 24:00 米国12月NAHB住宅市場指数
20日
- 世界貿易機関(WTO)紛争解決機関の会合
- 正午頃 日銀金融政策決定会合
- 正午頃 中国LPR
- 15:30 黒田日銀総裁 定例記者会見
- 16:00 ドイツ11月PPI
- 22:30 米国11月住宅着工件数
- 22:30 米国11月建設許可件数
21日
- 12月の月例経済報告(内閣府)
- 21:00 米国MBA住宅ローン申請指数(前週比)
- 22:30 カナダ11月CPI
- 22:30 米国7-9月期四半期経常収支
- 24:00 米国11月中古住宅販売件数
22日
- 16:00 英国7-9月期四半期経常収支
- 20:00 トルコ中銀、政策金利
- 22:30 米国7-9月期四半期GDP(確定値)
- 22:30 米国前週分新規失業保険申請件数
23日
- 08:30 日本11月全国消費者物価指数
- 08:50 日銀・金融政策決定会合議事要旨
- 14:00 シンガポール11月CPI
- 16:45 フランス11月PPI
- 22:30 カナダ10月月次GDP
- 22:30 米国11月耐久財受注
- 22:30 米国11月PCEデフレ―ター
- 24:00 米国11月新築住宅販売件数
来週以降
- 1月18日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 2月1日:FOMC
- 2月2日:ECB
- 3月10日:日銀金融政策決定会合
- 3月16日:ECB
- 3月22日:FOMC(経済予測データ付き)
- 4月5日:ECB
- 4月28日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 5月3日:FOMC
- 6月14日:FOMC(経済予測データ付き)
- 6月15日:ECB
- 6月16日:日銀金融政策決定会合
- 7月26日:FOMC
- 7月27日:ECB
- 7月28日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 9月14日:ECB
- 9月20日:FOMC(経済予測データ付き)
- 9月22日:日銀金融政策決定会合
- 10月26日:ECB
- 10月31日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 11月1日:FOMC
- 12月13日:FOMC(経済予測データ付き)
- 12月14日:ECB
- 12月19日:日銀金融政策決定会合
経済用語解説
- GDP=Gross Domestic Product(国内総生産):高成長が良い
- CPI=Consumer Price Index(消費者物価指数):2%目標を掲げる先進国が多い
- PCE=Personal Consumption Expenditures:個人消費支出、消費者物価と相関が高い
- PPI=Producer Price Index(生産者物価指数):CPIに影響を与える
- PMI=Purchasing Manager Index(購買担当者景気指数):50が基準
- ZEW=Leibniz Centre for European Economic Research(欧州経済研究センター):0が基準
- NAHB=National Association of Home Builder:50が基準
- ニューヨーク連銀製造業景気指数:0が基準
- フィラデルフィア連銀製造業景気指数:0が基準
- リッチモンド連銀製造業指数:0が基準
- シカゴ購買部協会景気指数:50が基準
- ミシガン大学消費者態度指数:1966年を100として指数化
- MBA住宅ローン申請指数:前週比で住宅ローン申請件数を測定
- S&P/ ケース・シラー住宅価格指数は、「20大都市圏住宅価格指数」がよく利用されている。景気に大きな影響がある住宅市場の動向を確認する上で重要な指標。
- 住宅販売保留指数:売買契約は終わっているが、引渡しが済んでいない物件数を指数化
- 欧州消費者信頼感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(速報の発表は前月比で報告される)
- 欧州景況感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(発表は実数で報告される)
- 消費者信頼感指数:1985年を100として指数化したもの
- 日本景気動向指数:2015年を100として指数化したもの
- 日本景気ウォッチャー調査:50が基準
- 日本法人企業景気予測調査:0が基準
本コンテンツの続き
- 注目の経済指標と政治イベント
- 先週の通貨強弱
- グローバルマクロ環境の整理
- チャート分析
- 今週の戸田の相場見通し
- 動画解説
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