目次
先週の為替相場レンジ(変動範囲)
始値 | 安値 | 高値 | 終値 | 変化率 | |
---|---|---|---|---|---|
USD/JPY | 135.87 | 130.60 | 137.48 | 132.79 | ▲2.27% |
EUR/USD | 1.0591 | 1.0574 | 1.0658 | 1.0614 | +0.22% |
EUR/JPY | 143.80 | 138.82 | 145.81 | 140.94 | ▲1.99% |
USD/CNH | 6.9767 | 6.9567 | 7.0156 | 7.0042 | +0.39% |
CNH/JPY | 19.48 | 18.76 | 19.68 | 18.96 | ▲2.67% |
先週の為替相場サマリー
日本円の買戻し優勢
USD/JPY
- ドル円は大きく下落。1ドル=135.87円からスタートすると、火曜日の午前中までは上値を試す展開が続き一時137.48円まで上昇。注目の集まった日銀金融政策決定会合にて10年債利回りの誘導目標が「±0.25%」から「±0.50%」へと引き上げられると、これまで人為的に歪められてきた日本の10年債利回りが+0.50%台にむけて急上昇、為替は円買いで反応し一気に133円台まで下落。その後も水曜日の日本時間早朝まで下落の勢いは続き一時130.60円を記録した。週後半は緩やかに反発する中で、木曜日のNY時間に米第3四半期GDPが0.3%の上方修正(確定値+3.2%)となったことでドル買いが強まり133.15円まで値を戻したあと、週末は132.79円でクローズ。
- なお先週末の予想は「なし」、年初来の正答率は67.5%。
EUR/USD
- ユーロは、小幅に上昇。1ユーロ=1.0591ドルからスタートすると、クリスマスシーズンでもあり動意に欠ける展開となり、週末まで1.0620を中心点とした方向感に欠ける展開が継続した。週末は1.0613でクローズ。
- 先週末の予想は「上」で、結果は「〇」。年初来の正答率は62.9%。
USD/CNH
- 人民元は対ドルで小幅に下落。1ドル=6.9767元からスタートし、火曜日に発表された米11月住宅関連指標が弱くドル売りが優勢となり、同日のNY時間に今週安値の6.9567を記録。ただしその後は中国におけるコロナ蔓延に関するニュースが嫌気されるなかで、人民元売りが優勢となり、また木曜日には米第3四半期GDPの上方修正もあったことからドル買いが強まると、日本時間24日早朝に今週高値の7.0156を記録。週末は7.0042にてクローズ。
- 先週末の予想は「上」で、結果は「〇」。年初来の正答率は67.5%。
先週のできごと
①日銀が金融政策を修正、②弱い米11月住宅関連指標、③中国はゼロコロナ政策を転換中
※物価指数とマネー統計は前年同月比、GDPは前期比、特段の記載がない経済指標は前月比または当月の数値
19日
- ドイツ12月IFO企業景況感指数 88.6
- 米国12月NAHB住宅市場指数 31
- 欧州連合(EU)がエネルギー相理事会で、天然ガス料金に上限を設けることで合意した。新制度は天然ガス価格指標のオランダTTFが1メガワット時当たり180ユーロを上回ったうえで、世界の液化天然ガス(LNG)価格から35ユーロ高くなり、これが3日間続いた場合に発動される。条件がそろえば、180ユーロを超えた取引は成立しない。
20日
- 中国人民銀行はLPRを1Y=3.65%に据え置き
- ドイツ11月PPI +28.2%(強いインフレ圧力)
- 米国11月住宅着工件数 ▲0.5%(弱い数字)
- 米国11月建設許可件数 ▲11.2%(非常に弱い数字)
- 日銀は金融政策決定会合で長期金利の変動許容幅を従来の0.25%程度から0.5%程度に広げた。
- 黒田総裁は「金融緩和の効果をより円滑にするためのもので、利上げではない。金融引き締めではまったくない」と強調。経済の成長や雇用改善、賃上げがより行いやすくなるとして「経済への波及がよりスムーズ・安定的に起こり、景気にはプラスではないか」との見解を示した。
21日
- 米国MBA住宅ローン申請指数(前週比) +0.9%
- カナダ11月CPI +6.8%(強いインフレ圧力)
- 米国7-9月期四半期経常収支 ▲2,171億ドル
- 米国11月中古住宅販売件数 ▲7.7%(非常に弱い数字)
- 政府は12月の月例経済報告で国内景気を「緩やかに持ち直している」とし、6カ月連続で同じ表現とした。
22日
- 英国7-9月期四半期経常収支 ▲194億ポンド
- トルコ中銀は政策金利を9.00%に据え置き
- 米国7-9月期四半期GDP +3.2%に0.3%の上方修正
- 米国前週分新規失業保険申請件数 21.6万件
- インドネシア中央銀行は政策決定会合で、政策金利(7日物リバースレポ金利)を0.25%引き上げ、年5.5%にすると決めた。
23日
- 日本11月全国消費者物価指数 +3.8%(やや強いインフレ圧力)
- シンガポール11月CPI +6.7%(強いインフレ圧力)
- カナダ10月月次GDP 前年同月比+3.1%
- 米国11月耐久財受注 ▲2.1%
- 米国11月PCEデフレ―ター +5.5%(強いインフレ圧力)
- 米国11月新築住宅販売件数 +5.8%
- 日銀は10月27~28日に開いた金融政策決定会合の議事要旨を公表した。複数の委員から「物価が安定して2%程度上昇する状況になったとみるのは時期尚早」との見方が出た。「中途半端に政策を変えると物価と賃金の好循環を妨げるリスクがある」として大規模な金融緩和政策の維持を全員一致で決めた。
- 米議会下院は2023会計年度(22年10月~23年9月)の歳出法案を可決した。規模は1.7兆ドル(約225兆円)。すでに上院を通過しており同日午後にもバイデン米大統領の署名で成立する。「つなぎ予算」の期限切れで政府機関が閉鎖になる事態は回避される。
- 中国国営中央テレビ(CCTV)は、中国の李克強(リー・クォーチャン)首相が北京を訪問中の香港政府トップの李家超(ジョン・リー)行政長官と22日に会談したと伝えた。李首相は中国本土と香港の往来再開に意欲を示した。
- 半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)が、欧州初となる工場をドイツに建設する方向で最終調整に入ったことが分かった。年明けに経営幹部が現地入りし、地元政府による支援内容などについて最終協議する。早ければ2024年に工場建設を始める。
注目の経済指標と政治イベント
注目は、①クリスマス休暇、②中国のコロナ蔓延、③全人代常務委員会
26日
- 25日:ソビエト連邦崩壊から31年
- 英米独仏など主要国がクリスマスで祝日
- 黒田日銀総裁が経団連審議員会で講演
- 08:50 日本11月企業向けサービス価格指数
27日
- 英加豪NZ香など「ボクシング・デー」の振替祝日
- 全人代常務委員会(~30日まで)
- 14:00 日本新設住宅着工戸数
- 22:30 米国11月卸売在庫
- 22:30 米国10月住宅価格指数
- 22:30 10月ケース・シラー米住宅価格指数
28日
- 08:50 日本11月鉱工業生産・速報値
- 21:00 米国MBA住宅ローン申請指数
- 24:00 12月リッチモンド連銀製造業指数
- 24:00 米国11月住宅販売保留指数
29日
- 22:30 米国前週分新規失業保険申請件数
30日
- 東証などで大納会
- 19:00 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
- 23:45 12月シカゴ購買部協会景気指数
- 25:00 ロシア12月CPI
来週以降
- 1月16日:ダボス会議(~20日まで)
- 1月18日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 2月1日:FOMC
- 2月2日:ECB
- 2月24日:ロシアのウクライナ侵攻から1年
- 3月(時期未定):中国全国人民代表大会
- 3月10日:日銀金融政策決定会合
- 3月16日:ECB
- 3月22日:FOMC(経済予測データ付き)
- 4月5日:ECB
- 4月28日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 5月3日:FOMC
- 5月19日:G7広島サミット(~21日まで)
- 6月14日:FOMC(経済予測データ付き)
- 6月15日:ECB
- 6月16日:日銀金融政策決定会合
- 7月11日:NATO首脳会議
- 7月26日:FOMC
- 7月27日:ECB
- 7月28日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 8月(時期未定):ジャクソンホール会議
- 9月14日:ECB
- 9月20日:FOMC(経済予測データ付き)
- 9月22日:日銀金融政策決定会合
- 10月26日:ECB
- 10月31日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 11月1日:FOMC
- 12月13日:FOMC(経済予測データ付き)
- 12月14日:ECB
- 12月19日:日銀金融政策決定会合
経済用語解説
- GDP=Gross Domestic Product(国内総生産):高成長が良い
- CPI=Consumer Price Index(消費者物価指数):2%目標を掲げる先進国が多い
- PCE=Personal Consumption Expenditures:個人消費支出、消費者物価と相関が高い
- PPI=Producer Price Index(生産者物価指数):CPIに影響を与える
- PMI=Purchasing Manager Index(購買担当者景気指数):50が基準
- ZEW=Leibniz Centre for European Economic Research(欧州経済研究センター):0が基準
- NAHB(National Association of Home Builder)住宅市場指数:50が基準
- MBA(Mortgage Bankers Association)住宅ローン申請指数:前週比で住宅ローン申請件数を測定
- S&P/ ケース・シラー住宅価格指数は、「20大都市圏住宅価格指数」がよく利用されている。景気に大きな影響がある住宅市場の動向を確認する上で重要な指標。
住宅販売保留指数:売買契約は終わっているが、引渡しが済んでいない物件数を指数化 - ニューヨーク連銀製造業景気指数:0が基準
- フィラデルフィア連銀製造業景気指数:0が基準
- リッチモンド連銀製造業指数:0が基準
- シカゴ購買部協会景気指数:50が基準
- ミシガン大学消費者態度指数:1966年を100として指数化
- 欧州消費者信頼感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(速報の発表は前月比で報告される)
- 欧州景況感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(発表は実数で報告される)
- 消費者信頼感指数:1985年を100として指数化したもの
- 日本景気動向指数:2015年を100として指数化したもの
- 日本景気ウォッチャー調査:50が基準
- 日本法人企業景気予測調査:0が基準
本コンテンツの続き
- 注目の経済指標と政治イベント
- 先週の通貨強弱
- グローバルマクロ環境の整理
- チャート分析
- 今週の戸田の相場見通し
- 動画解説
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