目次
先週の為替相場レンジ(変動範囲)
始値 | 安値 | 高値 | 終値 | 変化率 | |
---|---|---|---|---|---|
USD/JPY | 131.93 | 127.46 | 132.88 | 127.88 | ▲3.07% |
EUR/USD | 1.0637 | 1.0636 | 1.0869 | 1.0828 | +1.80% |
EUR/JPY | 140.44 | 137.99 | 142.86 | 138.47 | ▲1.41% |
USD/CNH | 6.8308 | 6.7049 | 6.8313 | 6.7069 | ▲1.81% |
CNH/JPY | 19.34 | 18.98 | 19.61 | 19.07 | ▲1.40% |
先週の為替相場サマリー
日本円の買戻しが大きく進んだ
USD/JPY
- ドル円は週後半にかけて急落。1ドル=131.93円からスタートすると、じり高の展開となり、火曜日のNY時間に今週高値の132.88円を記録。しかし、水曜日の早朝に読売新聞が、「日本銀行が17、18日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策に伴う副作用を点検する」と報じると相場は一転して反落。木曜日の東京時間に発表された日本11月経常収支が強かったことや、注目の集まった米国12月CPIにおいてもインフレ圧力の鈍化が確認されたことで、より一層、円の買戻しは強まり130円を割り込む動きとなった。週末にかけては一段安となり、金曜日のNY時間に127.46円の今週安値を記録したのち、戻りも鈍く127.88円でクローズ。
- なお先週末の予想は「上」で、結果は「×」。2022年初からの正答率は62.8%。
EUR/USD
- ユーロはじり高。1ユーロ=1.0637ドルからスタートし、先週末の流れを引き継ぐかたちで買いが強まると、月曜日のNY時間に1.07を上抜けた。その後も底堅い展開が続き、注目の集まった米国12月CPIにおいては、ほぼ市場予想通りの数値となったことであまり材料視されず、イベントを経てしばらくすると1.08を突破。金曜日の東京時間に1.0869の高値を記録したのち、週末は1.0833にてクローズ。
- 先週末の予想は「上」で結果は「〇」。2022年初からの正答率は62.2%。
USD/CNH
- 人民元は対ドルで上昇。1ドル=6.8308元からスタートし、週末に掛けてじりじりとドル安、人民元高が進んだ。週末が最も低い水準で土曜日のシドニー時間に6.7049を記録したのち、そのまま6.7069でクローズ。with コロナ政策への転換となり、さらなる経済成長への期待から、人民元買いが続いている。
- 先週末の予想は「フラット」。2022年初からの正答率は66.7%。
先週のできごと
①読売新聞が次回の会合において日銀の大規模な金融緩和政策に伴う副作用を検証すると報道、②東京都区部の12月CPIが+4.0%を記録、③世銀が2023年の世界経済見通しを引き下げ、④引き続き強い各国のインフレ圧力
※物価指数とマネー統計は前年同月比、GDPは前期比、特段の記載がない経済指標は前月比または当月の数値
9日
- ブラジルの首都ブラジリアで8日、ボルソナロ前大統領の支持者が議会と大統領府、最高裁判所を襲撃した。地元メディアによると、襲撃には4000人程度が加わり、建物を一時占拠して破壊した。ボルソナロ氏が掲げたポピュリズム(大衆迎合主義)による政治の分断が事件の引き金となった。
- 中国入国時の隔離撤廃(8日~)
- 日本祝日(成人の日)
- ドイツ11月鉱工業生産 +0.2%
- メキシコ12月CPI +7.82%
10日
- 12月東京都区部CPI +4.0%
- ノルウェー12月CPI +5.9%
- フランス11月鉱工業生産 +2.0%
- 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は講演で、インフレ局面では「利上げという短期的に不人気な措置も必要になる」との認識を示した。政治からの抑圧がないために必要な金融政策を遂行できるとして、中央銀行の独立性確保を訴えた。
- 世界銀行は、2023年の世界経済の実質成長率見通しを1.7%に引き下げたと公表した。半年前の前回見通しで示した3.0%から下方修正した。世銀は「高インフレと、それに対応した各国の利上げが世界経済を景気後退に追いやる危険性をはらんでいる」と指摘した。
- 中国人民銀行(中央銀行)は、2022年12月末時点のデジタル人民元の流通額が136億1000万元(約2600億円)だったと発表した。
- 中国政府は、中国に行く日本人と韓国人に対するビザ(査証)の新規の発給業務をとりやめた。日韓は中国からの渡航者への新型コロナウイルスの水際対策を強化している。中国外務省の報道官は「中国への差別的な入国制限措置に断固反対する」と表明し、対抗措置だと明らかにした。
11日
- 日本11月景気先行指数 97.6 景気一致指数 99.1
- 米国MBA住宅ローン申請指数 前週比+1.2%
- 米ボストン連銀のコリンズ総裁は、米紙とのインタビューで米連邦公開市場委員会(FOMC)が1月31日~2月1日に開く次回会合で利上げ幅を「0.25%にする方向に傾いている」と話した。より柔軟に政策金利の到達点を探れると理由を説明し、2023年内の利下げ転換には慎重な考えを示した。
- ペルーでカスティジョ前大統領の逮捕に抗議するデモが続き、南部フリアカで当局との衝突による死者が1日で少なくとも17人に達した。
12日
- 日本11月国際収支 +1.80兆円
- 中国12月CPI +1.8%
- 中国12月PPI ▲0.7%
- 日本12月景気ウォッチャー調査 現状判断DI47.9 先行き判断DI47.0
- インド12月CPI +5.72%
- 米国12月CPI +6.5%
- 米国前週分新規失業保険申請件数 20.5万件
- 読売新聞は、日本銀行が17、18日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策に伴う副作用を点検すると報じた。
- 南米ペルーの中央銀行は金融政策決定会合で、政策金利を0.25%引き上げて7.75%にすると発表した。利上げは18会合連続
- 米連邦準備理事会(FRB)が1月31日~2月1日に開く次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅を通常のペースである0.25%に戻す公算が大きくなっている。参加者の発言が相次いだほか、インフレ指標の鈍化を受けて市場も9割以上が織り込んだ。FRBは時間をかけて利上げの到達点を探る構え。
- 半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、日本で2番目となる半導体工場の建設を検討していると明らかにした。
13日
- 中国12月貿易収支 +780.1億ドル
- 日本12月マネーストックM2 +2.9%
- スウェーデン12月CPI +12.3%
- 英国11月GDP +0.1%
- 英国鉱工業生産 ▲0.2%
- ユーロ圏11月鉱工業生産 +1.0%
- ユーロ圏11月貿易収支 ▲117億ユーロ
- 1月ミシガン大学消費者態度指数 64.6
- 日米首脳会談の共同声明では対中国・北朝鮮を念頭にインド太平洋における防衛力強化の必要性を強調する内容となった。
- 韓国銀行(中央銀行)は金融通貨委員会で、政策金利を0.25%引き上げて年3.50%とした。利上げは7会合連続。
- ラオス中央銀行は民間の外貨両替所を全て閉鎖すると発表した。中銀が定める公定レートと市中の両替所が独自に設定している為替レートとの乖離(かいり)を防ぐ。外貨の流出を抑え、進行する自国通貨キップ安を抑制する狙いがある。
注目の経済指標と政治イベント
注目は、①日銀金融政策決定会合、②ダボス会議、③中国第4四半期GDP、④米国12月住宅関連指標
16日
- 米国祝日(キング牧師生誕記念日)
- ダボス会議(~20日まで)
- 08:50 日本12月国内企業物価指数
17日
- 11:00 中国12月小売売上高
- 11:00 中国12月鉱工業生産
- 11:00 中国10-12月期GDP
- 16:00 英国12月失業率
- 19:00 ユーロ圏1月ZEW景況感調査
- 22:30 1月ニューヨーク連銀製造業景気指数
- 22:30 カナダ12月CPI
18日
- 正午 日銀金融政策決定会合
- 08:50 日本11月機械受注
- 15:30 黒田日銀総裁、定例記者会見
- 16:00 英国12月CPI
- 17:00 南ア12月CPI
- 22:30 米国12月小売売上高
- 22:30 米国12月PPI
- 23:15 米国12月鉱工業生産
- 28:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
19日
- 08:50 日本12月貿易統計
- 09:30 オーストラリア12月雇用統計
- 19:30 ラガルドECB総裁発言("Finding Europe's New Growth" in Davos Forum)
- 21:30 ECB理事会議事要旨
- 22:30 米国前週分新規失業保険申請件数
- 22:30 米国12月住宅着工件数
- 22:30 米国12月建設許可件数
- 22:30 1月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
20日
- 08:30 日本12月全国CPI
- 16:00 英国12月小売売上高
- 16:00 ドイツ12月PPI
- 17:00 香港12月CPI
- 24:00 米国12月中古住宅販売件数
- 21日~、中国春節休暇
来週以降
- 2月1日:FOMC
- 2月2日:ECB
- 2月24日:ロシアのウクライナ侵攻から1年
- 3月4日:全国政治協商会議
- 3月5日:中国全国人民代表大会
- 3月10日:日銀金融政策決定会合
- 3月16日:ECB
- 3月22日:FOMC(経済予測データ付き)
- 4月5日:ECB
- 4月28日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 5月3日:FOMC
- 5月19日:G7広島サミット(~21日まで)
- 6月14日:FOMC(経済予測データ付き)
- 6月15日:ECB
- 6月16日:日銀金融政策決定会合
- 7月11日:NATO首脳会議
- 7月26日:FOMC
- 7月27日:ECB
- 7月28日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 8月(時期未定):ジャクソンホール会議
- 9月14日:ECB
- 9月20日:FOMC(経済予測データ付き)
- 9月22日:日銀金融政策決定会合
- 10月26日:ECB
- 10月31日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 11月1日:FOMC
- 12月13日:FOMC(経済予測データ付き)
- 12月14日:ECB
- 12月19日:日銀金融政策決定会合
経済用語解説
- GDP=Gross Domestic Product(国内総生産):高成長が良い
- CPI=Consumer Price Index(消費者物価指数):2%目標を掲げる先進国が多い
- HICP=Harmonised Indices of Consumer Prices(ユーロ圏の消費者物価指数):2%がターゲット
- PCE=Personal Consumption Expenditures:個人消費支出、消費者物価と相関が高い
- PPI=Producer Price Index(生産者物価指数):CPIに影響を与える
- PMI=Purchasing Manager Index(購買担当者景気指数):50が基準
- ZEW=Leibniz Centre for European Economic Research(欧州経済研究センター):0が基準
- NAHB(National Association of Home Builder)住宅市場指数:50が基準
- MBA(Mortgage Bankers Association)住宅ローン申請指数:前週比で住宅ローン申請件数を測定
- S&P/ ケース・シラー住宅価格指数は、「20大都市圏住宅価格指数」がよく利用されている。景気に大きな影響がある住宅市場の動向を確認する上で重要な指標。
住宅販売保留指数:売買契約は終わっているが、引渡しが済んでいない物件数を指数化 - ニューヨーク連銀製造業景気指数:0が基準
- フィラデルフィア連銀製造業景気指数:0が基準
- リッチモンド連銀製造業指数:0が基準
- シカゴ購買部協会景気指数:50が基準
- ミシガン大学消費者態度指数:1966年を100として指数化
- 欧州消費者信頼感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(速報の発表は前月比で報告される)
- 欧州景況感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(発表は実数で報告される)
- 消費者信頼感指数:1985年を100として指数化したもの
- 日本景気動向指数:2015年を100として指数化したもの
- 日本景気ウォッチャー調査:50が基準
- 日本法人企業景気予測調査:0が基準
本コンテンツの続き
- 注目の経済指標と政治イベント
- 先週の通貨強弱
- グローバルマクロ環境の整理
- チャート分析
- 今週の戸田の相場見通し
- 動画解説
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