目次
先週の為替相場レンジ(変動範囲)
始値 | 安値 | 高値 | 終値 | 変化率 | |
---|---|---|---|---|---|
USD/JPY | 127.83 | 127.24 | 131.57 | 129.57 | +1.36% |
EUR/USD | 1.0834 | 1.0767 | 1.0887 | 1.0855 | +0.19% |
EUR/JPY | 138.45 | 137.93 | 141.70 | 140.64 | +1.58% |
USD/CNH | 6.7164 | 6.6976 | 6.7947 | 6.7815 | +0.97% |
CNH/JPY | 19.04 | 18.84 | 19.39 | 19.11 | +0.37% |
先週の為替相場サマリー
リスクオン、円売り優勢
USD/JPY
- ドル円はじり高。1ドル=127.83円からスタートすると、週初こそ下を試して127.24円まで下落したものの、注目の集まる水曜日の日銀(金融政策決定)会合に向けて128円台を回復した。注目の集まった日銀会合においては、日銀が市場の予想に反し現行のYCC(イールド・カーブ・コントロール)を据え置いたことで、急激なショートカバー(売り仕掛け勢の買い戻し)が入り131.57円まで上昇した。しかしその後の記者会見において、記者より「イールドカーブの歪みを是正するために政策を修正する必要はないか?」との問いに対して、「年末に変更したばかりなのでもう少し様子をみたい」といった趣旨の回答をすると、じきにYCCは変更になるとの思惑からか、再度、円の買い戻しが強まり127.50円レベルまで再び下落する荒い値動きとなった。週末にかけてはリスク資産が買われる中で、円売りが優勢となり再び130円台に戻したのち、129.57円でクローズ。
- なお先週末の予想は「フラット。2022年初からの正答率は62.8%。
EUR/USD
- ユーロは底堅く推移。1ユーロ=1.0834ドルからスタートし、週初は上昇するも、1.0860レベルでは上値重く、その後に反落、水曜日の東京時間に1.0767まで下落した。同日の欧州時間には再び買戻し優勢となるも、1.0887を高値として再び反落し1.07台へ。木曜日に発表された直近のECB議事録によれば、多数のメンバーが当初は0.75%の利上げを支持していたことが分かり、利上げ観測が高まった結果、週後半は底堅く推移し、1.0855でクローズ。
- 先週末の予想は「上」で結果は「〇」。2022年初からの正答率は63.2%。
USD/CNH
- 人民元は対ドルで下落。1ドル=6.7164元からスタートし、ドルの買い戻しが強まると、その後もじり高が続き、木曜日のNY時間に6.7947の今週高値を記録。その後は6.79レベルで上値を抑えられながらも、週末まで底堅い値動きが継続し、6.7815でクローズ。なお、火曜日に発表された中国12月小売売上高、第4QのGDPにおいてしっかりとした数値が確認されたが、相場への影響は限定的となった。
- 先週末の予想は「下」で結果は「×」。2022年初からの正答率は65.1%。
先週のできごと
①日銀が現行のYCCを維持、②強まる日本のインフレ圧力、③弱い米国の経済指標
※物価指数とマネー統計は前年同月比、GDPは前期比、特段の記載がない経済指標は前月比または当月の数値
16日
- 米国祝日(キング牧師生誕記念日)
- 日本12月国内企業物価指数 +10.2%(強いインフレ圧力)
17日
- 中国12月小売売上高 +5.0%
- 中国12月鉱工業生産 +1.3%(前年同月比)
- 中国10-12月期GDP +2.9%
- 英国12月失業率 4.0%
- ユーロ圏1月ZEW景況感調査 16.7
- 1月ニューヨーク連銀製造業景気指数 ▲32.9(弱い数値)
- カナダ12月CPI +6.3%
- 日銀の国債買い入れが膨らんでいる。1月の買入額は通知日ベースで17兆1374億円と、わずか9営業日で月間の過去最大となった。
18日
- 日本11月機械受注 ▲8.3%
- 英国12月CPI +10.5%(強いインフレ圧力)
- 南ア12月CPI +7.2%
- 米国12月小売売上高 ▲1.1%(弱い数値)
- 米国12月PPI +6.2%(鈍化傾向にある)
- 米国12月鉱工業生産 ▲0.7%
- 日銀は開いた金融政策決定会合で大規模な金融緩和策を維持すると決めた。長期金利で許容する変動幅の上限を「0.5%程度」で据え置き、「共通担保資金供給オペ(公開市場操作)」を拡充した。
- 黒田総裁は「(長期金利の変動幅を拡大する)運用の見直しからはさほど時間がたっていないので、これらの措置が市場機能に及ぼす影響を評価するにはなお時間を要すると思うが、機動的な市場調節運営を続けることで、今後は改善していく」との見通しを語った。
- 米連邦準備理事会(FRB)は発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、2022年11月末以降の米経済の成長を「横ばいだった」と総括した。多くの地区で「供給網の混乱が幾分和らいだ」との報告があった一方、全体として事業者は「今後数カ月の経済成長の見込みは薄い」と予想した。
19日
- 日本12月貿易統計 ▲1兆4,485億円(弱い数値)
- オーストラリア12月雇用統計 ▲1.46%万人 +3.5%
- 米国前週分新規失業保険申請件数 19.0万件
- 米国12月住宅着工件数 ▲1.4%(弱い数値)
- 米国12月建設許可件数 ▲1.6%(弱い数値)
- 1月フィラデルフィア連銀製造業景気指数 ▲8.9
- 欧州中央銀行(ECB)が公表した2022年12月14~15日の理事会の議事要旨で、多数のメンバーが当初は0.75%の利上げを支持していたことが分かった。最終的に0.5%の利上げを決めたものの、利上げ継続の姿勢を示すことで金融引き締めの効果を発揮できるとの判断に傾いた。
- インドネシア中央銀行は政策決定会合で、政策金利(7日物リバースレポ金利)を0.25%引き上げ、年5.75%にすると決めた。
- ニュージーランド(NZ)のアーダーン首相は記者会見を開き2月7日までに辞任すると表明した。
20日
- 日本12月全国CPI +4.0%(インフレ圧力が強まっている)
- 英国12月小売売上高 ▲1.0%
- ドイツ12月PPI +21.6%
- 香港12月CPI +2.0%
- 米国12月中古住宅販売件数 ▲1.5%(弱い数値)
- 中国春節休暇(21日~)
- 米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は20日の講演で「(2月の)次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利上げを希望する」と明言した。利上げを減速して金融引き締めの効果を見極める局面だという従来の見方について「この先も波乱はなさそうだ」と説明した。
注目の経済指標と政治イベント
注目は、①米国第4四半期GDP、②日銀・金融政策決定会合議事要旨、③1月東京都区部CPI
23日
- 中華圏、春節休暇
- 08:50 日銀・金融政策決定会合議事要旨
- 24:00 米国12月景気先行指標総合指数
- ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、発言(ドイツ証券取引所、年次会合)
24日
- 中華圏、春節休暇
- 17:15 フランスPMI
- 17:30 ドイツPMI
- 18:00 ユーロ圏PMI
- 18:30 英国PMI
- 23:45 米国PMI
- 24:00 1月リッチモンド連銀製造業指数
25日
- 中華圏、春節休暇
- 06:45 NZ第4四半期CPI
- 14:00 シンガポール12月CPI
- 18:00 ドイツ1月IFO企業景況感指数
- 21:00 MBA住宅ローン申請指数
- 24:00 カナダ銀行 政策金利
26日
- 中華圏、春節休暇
- 22:30 米国第4四半期GDP
- 22:30 米国12月卸売在庫
- 22:30 米国12月耐久財受注
- 22:30 米国前週分新規失業保険申請件数
- 24:00 米国12月新築住宅販売件数
27日
- 中国、春節休暇
- 08:30 1月東京都区部CPI
- 22:30 米国12月個人消費支出(PCE)
- 24:00 米国12月住宅販売保留指数
来週以降
- 2月1日:FOMC
- 2月2日:ECB
- 2月24日:ロシアのウクライナ侵攻から1年
- 3月4日:全国政治協商会議
- 3月5日:中国全国人民代表大会
- 3月10日:日銀金融政策決定会合
- 3月16日:ECB
- 3月22日:FOMC(経済予測データ付き)
- 4月5日:ECB
- 4月28日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 5月3日:FOMC
- 5月19日:G7広島サミット(~21日まで)
- 6月14日:FOMC(経済予測データ付き)
- 6月15日:ECB
- 6月16日:日銀金融政策決定会合
- 7月11日:NATO首脳会議
- 7月26日:FOMC
- 7月27日:ECB
- 7月28日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 8月(時期未定):ジャクソンホール会議
- 9月14日:ECB
- 9月20日:FOMC(経済予測データ付き)
- 9月22日:日銀金融政策決定会合
- 10月26日:ECB
- 10月31日:日銀金融政策決定会合(経済・物価情勢の展望付き)
- 11月1日:FOMC
- 12月13日:FOMC(経済予測データ付き)
- 12月14日:ECB
- 12月19日:日銀金融政策決定会合
経済用語解説
- GDP=Gross Domestic Product(国内総生産):高成長が良い
- CPI=Consumer Price Index(消費者物価指数):2%目標を掲げる先進国が多い
- HICP=Harmonised Indices of Consumer Prices(ユーロ圏の消費者物価指数):2%がターゲット
- PCE=Personal Consumption Expenditures:個人消費支出、消費者物価と相関が高い
- PPI=Producer Price Index(生産者物価指数):CPIに影響を与える
- PMI=Purchasing Manager Index(購買担当者景気指数):50が基準
- ZEW=Leibniz Centre for European Economic Research(欧州経済研究センター):0が基準
- NAHB(National Association of Home Builder)住宅市場指数:50が基準
- MBA(Mortgage Bankers Association)住宅ローン申請指数:前週比で住宅ローン申請件数を測定
- S&P/ ケース・シラー住宅価格指数は、「20大都市圏住宅価格指数」がよく利用されている。景気に大きな影響がある住宅市場の動向を確認する上で重要な指標。
住宅販売保留指数:売買契約は終わっているが、引渡しが済んでいない物件数を指数化 - ニューヨーク連銀製造業景気指数:0が基準
- フィラデルフィア連銀製造業景気指数:0が基準
- リッチモンド連銀製造業指数:0が基準
- シカゴ購買部協会景気指数:50が基準
- ミシガン大学消費者態度指数:1966年を100として指数化
- 欧州消費者信頼感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(速報の発表は前月比で報告される)
- 欧州景況感指数:2000~2020年の平均を100としてその上下を図る(発表は実数で報告される)
- 消費者信頼感指数:1985年を100として指数化したもの
- 日本景気動向指数:2015年を100として指数化したもの
- 日本景気ウォッチャー調査:50が基準
- 日本法人企業景気予測調査:0が基準
本コンテンツの続き
- 注目の経済指標と政治イベント
- 先週の通貨強弱
- グローバルマクロ環境の整理
- チャート分析
- 今週の戸田の相場見通し
- 動画解説
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