FXの相場分析方法の1つであるフィボナッチ・リトレースメントは、買いもしくは売りのタイミングを見極めるのに役立ちます。初心者でも理解しやすく簡単に用いることができるので、覚えておいた方がよいでしょう。今回は、フィボナッチ・リトレースメントの使い方について詳しく解説していきます。
目次
フィボナッチ・リトレースメントとは?
フィボナッチ・リトレースメントとは、フィボナッチ比率を利用して相場の転換点の水準を導き出す方法です。FXではトレンド相場になっていたとしても、常に価格が上昇したり、下落するわけではありません。例えば上昇トレンドにおいては、時に下落しながらも、それでも上方向へ押し上げる力が強く、ジグザグしながら上昇していくことが多いです。このように、上昇トレンドの中で一時的に価格が下落した買い場と呼べる機会を「押し目」と呼びます。その押し目の判断として活用できるのがフィボナッチ・リトレースメントです。
フィボナッチ比率とは何か?
フィボナッチ比率とは、フィボナッチ数列を発展させて作られたものです。フィボナッチ数列は、前の2つの数字の和が次の数字になることを示した数列のことです。「1・1・2・3・5・8・13・21・34・55・89…」と続いていき、終わりはありません。そして、フィボナッチ比率はそれぞれの数を後の数字で割って求めた数値です。例えば21を1つ後ろの34で割ると「0.618」に、2つ後の55で割ると「0.382」に、さらに、3つ後の89で割ると「0.236」になり、この数値をFXに応用していきます。
フィボナッチ・リトレースメントで重要な比率
フィボナッチ・リトレースメントを使う場合には、一般的に「0%」「23.6%」「38.2%」「61.8%」「76.8%」「100%」のところにラインが引かれます。この中で戸田が大事にしているのは「23.6%」「38.2%」の2つです。このラインはサポートラインやレジスタンスラインとなりやすいので、注目してチェックするといいでしょう。
・サポートライン(下値支持線):相場がそのラインより下落しにくいと予想される水準
・レジスタンスライン(上値抵抗線):相場がそのラインより上昇しにくいと予想される水準
フィボナッチ・リトレースメントの使い方
ではここからは、フィボナッチ・リトレースメントを使った相場分析方法について見ていきましょう。
フィボナッチ・リトレースメントを描画する
まずは、直近の高値と安値を結んで基準線を引く必要があります。FX会社が提供している取引ツールを使えば、自分で行わなくても自動的にラインを引いてもらえるので便利です。上昇トレンドであれば安値が100%になり、下降トレンドでは高値が100%を示すようになります。どのタイミングで設定するのか明確な決まりはありません。どの時間足で見るかによっても相場の見え方が変わるものです。なお戸田は日足ベースで使うことが多いです。
【上昇トレンド】価格がどこまで下押すかを予想する
まずは上昇トレンド時の使い方を見ていきます。先ほどもお伝えしたように、主にフィボナッチ・リトレースメントで注目するのは、「23.6%」「38.2%」の2つのラインです。価格が反発しそうになったり、反発が起きた直後に買いをいれれば、その後の上昇の際に利益を狙うことが可能です。
【下降トレンド】価格がどこまで戻るかを予想
次に、下降トレンドの使い方を見ていきます。基本的な見方は、上昇トレンドの時と同じです。反落が始まりそうなタイミングや、反落の直後に売りをいれることができれば、その後価格が下落した際に利益を狙うことができます。
フィボナッチ・リトレースメントを使う時の注意点
フィボナッチ・リトレースメントは価格が転換する目安を取得できるため、利用しているトレーダーも多いです。しかし、必ずしもフィボナッチ・リトレースメントのラインのタイミングで相場が反転するとは限りません。相場の大きな流れを掴んだうえで、サポートとして活用しましょう。
戸田裕大の一言
インターバンクではこうしたテクニカル分析を軸に物事を考えることはせず、現在の相場の大局観を判断した上でサポート的にフィボナッチ・リトレースメントを用いるのが主流です。あくまでサポートとしての使い方を心掛けましょう。また戸田は2022年のドル円上昇局面において、日足ベースでフィボナッチ・リトレースメントを用いて、結果としてワークしました。割と日足など長いチャートに対して有効な気がしています。
なおCAMPFIREコミュニティ「戸田裕大」のオンラインサロン、「毎日のドル円相場解説」では戸田が定める本日のラインを報告しています。ご興味のある方はご参加の上、参考にして頂ければ幸いです。
「毎日のドル円相場解説」はこちらから → https://community.camp-fire.jp/projects/view/661267