過去記事「なぜFXで負けるのか?」では、為替相場予測が当たれば、勝てる確率が高まるということをお伝えしました。また、そのためには、必要な情報を取得すべきと言うお話をしました。

なぜFXで負けるのか?3つの視点から解説します!

そこで今回は、FX取引に必要な情報とは何か?と言う点について6つの項目に分けて深堀りしていきます。

FX取引に必要な情報とは

そもそも為替相場には、大きく分けて、「実需」と「投機」の2タイプのプレイヤーがいることを過去記事「為替市場のキープレイヤーとその特徴について」でお伝えしました。

【実需と投機】FXのキープレイヤーとその特徴を徹底解説

また「実需」の取引は、中長期的に相場に影響を与え、且つ容易に調査出来ることから、調べる価値のある情報であることをお伝えしました。

一方で短期的に相場に大きく影響を与えるのは「投機」の動きです。投機筋が何を考え、投資を行うのか、ここに短期的な為替相場予測に必要な情報が詰まっています

早速見て行きましょう。

 

適正価格

物に値段があるように、為替レートにも適正な値段があります。例えば昔、ドル円は1ドル360円で固定されていましたが、これは適正なレートではないので、大きく円高に是正されていきました。日本や中国のように過去に固定相場を敷いている国に多いですが、明らかに適正な価格と実際の価格とにずれがある通貨が世の中には存在します。この差を狙う手法は効果が高く、且つ大きく値幅を取れる可能性があり有効です。

この適正価格を図る手法はさまざまありますが、「購買力平価説」「経常収支などを用いるフローアプローチ」「資金量に注目したマネタリーアプローチ」などが有名です。私は個人的には、経常収支から算出する適正価格の精度の高さを感じていますが、ここでは詳細は割愛します。

 

将来のマクロ経済政策

マクロ経済政策が為替市場に与える影響は非常に大きいと考えられます。マクロ経済政策とは大きく「金融政策」と「財政政策」に分けられます。順を追ってみていきましょう。

金融政策

各国の中央銀行が執り行う政策です。主に、景気刺激や物価の安定を目的として行われます。日本や米国では中央銀行は政府から独立しているため、政府の介入を受けることなく政策を行えるのが特徴です。金融政策には主に「金利調節」と「資金調節」の二つの政策があります。

金利調節(利下げと利上げ)

金利調節とはその名の通り、各国の政策金利を上げ下げすることで、景気刺激や抑制を試みる政策です。一般的に政策金利は短期金利であることが多いですが、国の政策によって異なります。

例えば、アメリカが利上げを行い、日本がゼロ金利政策を維持した場合、日米金利差は拡大し、ドルは円に対して買われやすくなるなると言われています。投資家は、金利が高い通貨で保有していた方が、多くの金利を獲得できるので、高金利の通貨を保有するインセンティブが働きます。

資金調節(量的緩和と量的緩和の縮小)

資金調節とは、市中に流れる資金の量を調節することで、景気刺激や抑制を試みる政策です。為替レートにも大きく影響を与えることでも注目を集めました。

代表的な資金調節は2013年から始まった黒田日銀総裁による、バズーカ緩和です。円を市中に流して、1円当たりの価値を薄めることで、ドル円相場は80円から125円まで円安・ドル高が進みました。

財政政策

税制政策とは、政府予算の歳入または歳出を通じて行われる政策です。こちらも主に景気刺激や景気抑制を目的として行われます。日本や米国のように、与党と野党が明確に存在する場合には、反対票を投じる勢力も多く、議会を通すのが難しいです。反対に中国のように一党独裁政治ですと、簡単に財政政策を行うことが出来るので、政策の中心に据えられることが多いです。

財政出動

財政出動とは、すなわち政府予算の歳出を増やす政策です。代表的なのはリーマンショック後の中国の4兆元の財政出動で、リーマンショックで落ち込んだ景気をいち早く回復させる起爆剤になったと言われています。

緊縮財政

緊縮財政とは、すなわち政府予算の歳出を抑える政策です。代表的なのは、ギリシャが債務を弁済出来ない状況に陥いった際に、EUがギリシャの緊縮財政を条件に支援を実施した一件です。財布のひもをしめると、景気が悪くなる傾向にあるので、普段は、政治家はこの政策を採りづらいと言う特徴があります。なお、この件では、ギリシャ国民の暴動につながりました。

ポイント

さて、ここでみなさんに質問です。投資家は普段から経済指標を追っていますが、それはなぜかご存じでしょうか?

答えは、各国の政策当局の視点に立ち、今後どのような金融政策や財政政策が行われる可能性が高いのかを判断するためです。なぜなら、政策当局(中央銀行や政府)は経済指標に注目して、政策を決定しているからです。

特に消費者物価と雇用に関する指標は、政策決定において重要な位置を占めます。なぜならば、例えば米国の中央銀行(FED)の重要な政策目標に「物価の安定と雇用の最大化」が含まれるからです。

ですから経済指標をそれ単体でみるのではなく、例えば過去数年間分を並べてみて、景気は回復基調にあるのか、そうでないのか、追加のマクロ経済政策が必要なのではないか?という視点で見ることが出来ると投資家として次のステージに上ることが出来るはずです。

 

国際政治

政治の安定が経済成長の要であり、通貨価値安定の要でもあります。とは言え、FXで取引出来る通貨の大半は政治的に安定している国が多いのもまた事実。そこでここでは「地政学リスク」「離脱・独立リスク」に絞って説明をすすめていきます。

地政学リスク

まず最も気をつけなければいけないのが、地政学リスク、すなわち紛争のリスクです。当たり前ですが、第三次世界大戦が起きれば、金融市場は大混乱に陥ります。普段はそこまで相場に影響を与えませんが、金融市場に破壊的な一撃を与える可能性がある、それが地政学リスクです。新聞等で世界の経済ニュースについて頭に入れておきましょう。

離脱・独立リスク

特にユーロ(EUR)や英ポンド(GBP)を取引する個人投資家の方に気をつけて頂きたいのが「離脱・独立リスク」です。記憶に新しいのは2016年Brexit(ブレグジット)と呼ばれたイギリスの欧州離脱です。この時は、Brexitをきっかけとして英ポンドの価値は3ヵ月程度で20%以上減価しました。

Brexit

現在スコットランドがイギリスから独立する動きを強めています。これが認められれば英ポンドの価値は大きく変動することになりますのでこういった点にも注意が必要です。またユーロに関しても19ヶ国が集まって一つのユーロの価値を創っていますので、その国の一つが離脱に傾けば、大きな相場変動要因となります。ですからユーロや英ポンドを取引する方には、必ず注目してみて頂きたい項目になります。

 

チャート分析

世の中には、さまざまなテクニカル分析手法が溢れていますが、三井住友信託銀行マーケット事業より出版された金融マーケット予測ハンドブックによれば、大きく4つのトレンド手法に分類しています

  1. トレンド分析(トレンドライン、移動平均、RSIなど)
  2. バリュー分析(ボリンジャーバンドなど)
  3. パターン分析(酒田罫線法、エリオット波動など)
  4. サイクル分析(一目均衡表など)

私は1はよく使いますが、234はあまり使わないです。他にチャートポイントとでも呼びますか、直近の安値、高値をよく確認して、取引に役立てています。ここは人それぞれ色が出るところかなと思います。

 

投資家心理

投資家心理も相場に大きく影響を与えます。しばしば重要な安値を更新すると売りが売りを呼ぶ展開になりますが、これは、どこまで下がるか分からないという不安に駆られることに起因しています。VIXと呼ばれる指数で投資家心理を数値として確認できますのでチェックしておくと良いでしょう。蛇足ですが、強気な相場のことをブル相場(牛)、弱気な相場のことをベア相場(熊)と呼びます。ウンチクですが、覚えておいても損はないと思います。

 

災害リスク

台風や地震の発生などが相場に与える影響は大きいです。例えば東日本大震災から1週間以内に、ドル円は7円ほど下落し、その後反発しました。

東日本大震災の発生とその後の値動き

なぜ、地震で円高なのか?という疑問もあると思いますが、それについては、今回の記事の趣旨とは異なるので置いておきます。まずは大きな災害が発生すると、その後に大きく相場が変動する可能性があると言う点にご留意ください。

 

終わりに

最後までお付き合い頂きまして、ありがとうございました。戸田裕大とそのチームスタッフでは「為替から世界を学ぶ」をコンセプトにFXなど投資に役立つ情報を発信しています。本日の記事が役に立ったと思う方は記事をシェアをして頂ければ幸いです。

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