目次
この記事でわかること
・強制ロスカットのしくみ
・強制ロスカットの計算
・強制ロスカットの回避方法
FXにおける強制ロスカットについて
「ロスカット」は、損失が一定の範囲を超えた場合にポジションを決済することを指します。ようはロス(損失)をカット(切る)するということです。
本記事にて説明する「強制ロスカット」は各FX会社によって設けられている制度です。その名の通り、定められた基準に到達すると個人投資家のポジションに対する反対売買が行われ、強制的にロスがカットされてしまう仕組みです。
まずは実際に強制ロスカットされる例を見ていきましょう。
強制ロスカットの計算方法
※外為どっとコムのロスカットシュミレーターを使用
条件
通貨ペア USD/JPY 入金額 10万円
取引数量 10 Lot (1 lot=1000通貨) 合計1万通貨
必要保証金額 5500円/1 Lot(各FX会社によって異なる)
新規レート 1ドル=130円
新規買い(ロング)でエントリー
以上の条件でロスカットになるラインは、こちらの値になります。
レートで4.5円(450pips)下げたら強制ロスカットです。
強制ロスカットまで耐えられる損失額は-4万5千円までとなります。
※1pips=100円(1万通貨の場合)
強制ロスカット=必要保証金×100%
以下のような条件で計算が行われます。
取引単位:1万通貨
必要保証金:55000円
(レート変動の影響を受けるためFX会社によって異なります。詳細はご利用中のFX会社でお調べください。)
ロスカット:100%
計算式は、以下の通りです。
55000円×100%=55000円
つまり必要保証金が55000円を下回ると強制ロスカットされます。
※必要保証金額
取引する際に最低限必要な金額(保証金)
※ここでは外為どっとコムにおける用語を使って解説しました。
各用語が持つ厳密な意味はご利用のFX会社サイトにてご確認ください。
※スリッページや取引手数料などにより、実際のロスカット価格が計算した価格と異なる場合もあります。
強制ロスカットの注意点
急な相場の変動で暴落や暴騰が起きた場合は強制ロスカットが間に合わず、預けた保証金以上の損失となる可能性もあります。
強制ロスカット制度があるからと高レバレッジで取引すると、入金したお金では足りず追加保証金を支払うことになります。
万が一追加保証金を支払うことができない場合には遅延損害金が発生することもありますので十分にご注意ください。
(借金してまでやることではないです!余剰資金での投資を心掛けましょう。)
強制ロスカットの回避方法
①追加証拠金の入金
証拠金維持率が一定水準を下回る前に、追加の証拠金を入金することで、強制ロスカットが発生するリスクを減らすことができます。ただし、これにより投資額が増加し、損失が拡大するリスクも高まります。
②逆方向のポジションを取る(ヘッジ)
現在のポジションとは逆方向のポジションを取ることで、相殺効果を期待し、強制ロスカットのリスクを軽減できる場合があります。ただし、この方法はスプレッドコストが発生し、両建ての状態が続くことで追加のコストがかかることがあります。
③一部ポジションの決済
ポジションを一部決済し、証拠金維持率を上げることで、強制ロスカットが発生するリスクを減らすことができます。ただし、これにより損失が確定されることになります。
④時間をかけて様子を見る
市場が反転し、ポジションが回復することを期待して、一定期間様子を見ることができます。ただし、市場がさらに不利な方向に動くと、損失が拡大するリスクが高まります。
戸田から一言
強制ロスカットは私たちを大きな想定外の損失から守ってくれる仕組みですが、基本的には投資家は自分で自分のリスクを管理してなんぼです!
重要なのは、強制ロスカットが発生しないように、適切なリスク管理を行い、損切注文を確実に入れて、損失を最小限に抑えることですので、まずはリスク管理を徹底して行いましょう。
何年も勝ち残るトレーダーになるためにはリスク管理は絶対と言えます。
戸田のポートフォリオ:https://linktr.ee/yudaitoda