本記事では戸田裕大の週刊トレーディング戦略の内容や使い方について解説していきます。
目次
レポートの概要
レポート名:戸田裕大の週刊トレーディング戦略
主なリサーチ対象:日本円・米ドル・ユーロ・人民元の4通貨(対ドル、対円が中心)
発刊日:毎週日曜日
内容:世界情勢、特に日本+巨大な3つの経済圏を中心に分析を進め、大きな相場の方向感を示す
想定読者:グローバル・マクロ分析を取り入れたい方、戸田の取引戦略を参考にしたい方
コンテンツ目次:
- 先週の為替相場レンジ(変動範囲)
- 先週の為替相場サマリー
- 先週のできごと
- 注目の経済指標と政治イベント
- 先週の対ドル及び、対円通貨強弱
- グローバルマクロ環境の整理
- チャート分析
- 今週の戸田の取引戦略
1~4まではどなたでも、5~8までは「為替トレーディング部」限定のコンテンツです。
以下に2021年8月15日(日曜日)号より一部抜粋した内容を紹介させて頂きます。
①先週の為替相場レンジ(変動範囲)
始値 | 安値 | 高値 | 終値 | 変化率 | |
---|---|---|---|---|---|
USD/JPY | 110.26 | 109.54 | 110.81 | 109.60 | ▲0.60% |
EUR/USD | 1.1762 | 1.1706 | 1.1805 | 1.1796 | +0.29% |
EUR/JPY | 129.69 | 129.23 | 129.81 | 129.29 | ▲0.31% |
USD/CNH | 6.4785 | 6.4728 | 6.4934 | 6.4772 | ▲0.02% |
CNH/JPY | 17.0261 | 16.9096 | 17.0758 | 16.9097 | ▲0.68% |
解説:先週の安値や高値はチャートポイントとして意識されやすいので記載しています。2週間連続で安値や高値が同一であることもあります。また「変化率(終値/始値)」の情報をもとに現在の相場変動幅の目安を持つことが出来ます。例えば翌週のドル円が終値の109.60から一時的に1%上昇した場合は、ドル円が1週間で1%上昇することは稀であり、利食いをして置いた方が良さそうだと言った判断にお使い頂けます。
②先週の為替相場サマリー
USD/JPY
- 先週のドル円相場は、1ドル=110.26円からスタート。週初は特段材料ない中で先週の流れを引き継ぎドル買いが強まると水曜日には110.81の今週高値をつけた。同日NY時間に発表された米7月消費者物価指数が前月比で鈍化していることが確認されると次第にドル売りが優勢となり反転。木曜日には米7月卸売物価指数が発表されドル買いが強まる局面も見られたが、週末に掛けては再びドル売り優勢となる。金曜日NY時間には米国8月ミシガン大学消費者態度指数が発表され、これが非常に弱いことが確認されると、景気折り返し観測から一気にドル売り優勢となりドル円は110円割れ。ズルズルと下落し109.54まで下落したのち、109.60でクローズ。
解説:一週間の値動きを解説しています。週初は先週末の流れを引き継ぐことも多いので、まずはここで先週の流れを振り返っておきましょう。
③先週のできごと
※物価指数とマネー統計は前年同月比、GDPは前期比、特段の記載がない経済指標は前月比または当月の数値
9日
- 福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県にまん延防止等重点措置適用(8日~)
- 日本祝日(山の日)
- 中国7月消費者物価指数(CPI) +1.0%
- 中国7月生産者物価指数(PPI) +9.0%
解説:先週の指標の強弱や重要な政治イベントを振り返り、翌週以降の相場をイメージすることに役立てます。世の中の変化を掴むイメージですが、会得するまでにはそれなりに時間が掛かると思います。この点は私もまだまだ修行中の身です。なお経済用語には解説を添付していますが、漏れていることもあると思いますので、その際は学習の機会としてググって学んでしまいましょう。
④注目の経済指標と政治イベント
16日
- 08:50 日本4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、速報値)
- 11:00 中国7月小売売上高
- 11:00 中国7月鉱工業生産
- 11:00 中国7月固定資産投資
- 21:30 8月ニューヨーク連銀製造業景気指数
- 29:00 6月対米証券投資
解説:翌週の重要イベントを一覧でまとめています。その他のウェブサイトでも予定そのものは確認出来ると思いますが、ここに載せているものは戸田が必ずウォッチしておこうと思うものを列挙しています。どの指標が重要か分からない方は、ぜひ参考にしてみてください。またイベント前に自分のポジションをどうするか、ある程度イメージを持っておくことも肝要です。
⑤先週の通貨強弱
※世界の通貨騰落率を可視化し、現在の「相場のテーマ」の推測に役立てています
- 全体ではドル安が優勢
- 南米やアフリカではドル高になっている国も多いが、この地域は国際収支バランスの悪い国(儲かっていない国)が多く、その影響と判断
- メキシコやロシアなど新興国でも堅調な通貨が見られる
- まとめると通貨強弱は右記の通り メキシコなど強い新興国通貨 > 円 > ユーロ > ドル > 英ポンド > 南アなど弱い新興国通貨
一言解説:世界地図グラフ(対ドル通貨強弱)は196ヶ国の通貨を対象に、対ドルの通貨騰落率を計測しています。この196ヶ国とは日本が承認している国の数である195か国に日本を加えた数です。ほぼ全世界を網羅しており、ゆえにお金の流れを把握することが出来ると考えています。
オセアニアやスカンジナビアと言った地域の傾向を把握することが出来るほか、気候変動が大きい時には緯度や経度でも傾向が出ることもあります。例えば寒波がきているので緯度の高い地域が売られている可能性がある・・・と言ったこともこの世界地図からは確認することが出来ます。
流れに逆らわないトレード、いわゆる順張りが大切と言われていますが、何が本当に順張りかを理解するのはそんなに簡単なことではありません。そのためなるべく事実に基づいたデータを取得することが重要と考え、そのうちのひとつとして世界中の対ドル為替レートをビジュアル化しています。
通貨強弱を短期で測ることも重要ですが、短期ゆえに大きな方向感を捉えていないこともあります。1週間の観測データと戸田の解説を通じて正しく現状認識を行うことが出来ると考えています。
グローバルマクロ環境の整理(一部抜粋)
アフガニスタン地域の情勢を念のため警戒。タリバンは故ウサマ・ビンラディン氏の引渡しを拒否し、米国のアフガン侵攻が始まったとされる。タリバンは米国に反撃する?しないと思うが、911の際のドル円の値幅は1日で3.60円。念のためリスクオフ要因として認識。
中国株の下落から広がる、日本株の軟調推移、及びリスクオフには引き続き警戒
引き続きCovid-19のインド型(デルタ株)が広がっており、コロナ再拡大による景気後退懸念は角度が高くなってきた
投資家の米金融政策見通しは年内~来年早々のテーパリング、2022年末~2023年初に利上げ開始がコンセンサス。市場の利上げ観測は先週から大きく変わっていない。
夏場に入り、バカンスを取られる方も増えることから、普段よりも薄商いになり、方向感が出にくいことを想定


一言解説:グローバルマクロ環境の整理では値動きだけではない世界情勢の環境認識を行っています。具体的には「新型コロナの感染状況」、「米国の利上げ織り込みの変化」、「アフガニスタンの情勢変化」などその時々の相場の方向感を決定づけるであろう要因に目を配り、データをもとに、戸田の見方を交えてまとめてお届けしています。
チャート分析(一部抜粋)
USDインデックス(日足)
- 93.00~93.40のレジスタンスで跳ね返されている格好
- 上記を抜けてこないとドル円は上に走らないか・・・
一言解説:チャート分析(日足、時間足)を用いて相場の短期的な方向性やチャートポイントを把握し、翌週の取引に役立てて頂ける作りになっています。なお現在はドルインデックス(DXY)とドル円の他にユーロと人民元についてチャート分析を行っており併せてご覧いただけます。
今週の戸田の取引戦略(一部抜粋)
全体方針
- Covid-19のインド型(デルタ株)が広がり、ワクチンの接種率や対応策等によって、各国の景気回復に差が出てきていることを認識する
- アフガニスタンの動向など、地政学リスクの悪化には、アンテナを高くしておく
- 特に中国と日本の株式市場の動向に目を光らせ、リスクオフの兆候を早めに感知できるよう努める
- 為替は夏の閑散相場を意識し、レンジの下で買い、上で売りを徹底する
- レンジブレイクまでは機械的な売買に徹し、レンジブレイクの予兆を政治経済イベントから探っていく
- 円は景気回復の遅れによる、金融緩和の長期化を意識して売り先行させる
- ユーロは金融緩和の長期化を見込み、売り先行させる
- 人民元は中長期では買い目線を継続する
- 米利上げへの対応が遅れている新興国通貨(トルコリラなど)の買い持ちを避ける
USD/JPY
- 先週末の終値:109.60
- 目線:横這い
- 想定レンジ:109.00-111.00
- 現在ポジション:USD/JPY ± 0.0
- 方針:109.00前後は買い、111円前後は売り
- 上記まで達しない場合は相場展開に応じてエントリー
- レンジブレイクの際には一旦損切
- 週明けは一旦、様子を見守りたい
一言解説:1週間の戦略を記載しています。戸田自身もこれを何度も見直しながら実際にトレードを行っています。なお他にユーロと人民元は必ず記載しており、さらにその時々の旬な通貨ペアを記載するときもあります。
人民元に関する貴重な情報が含まれているのもこのレポートの大きな特徴と言えます。世界二番目の巨大市場、中国、そこで実際にインターバンク取引を行っていた執筆者が記載する人民元情報には勝利のヒントが詰まっていると確信しています。
まとめ
最後までお付き合いを頂きありがとうございました。
長々と解説しました2021年8月15日発刊分を一般開放しましたのでもし良ければ参考にしてみてください。
【8月16日~8月20日】世界の景況感と直近の値動きを考慮したトレード戦略
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なお売買指導などの投資助言は一切行いませんので、ご了承ください。
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利用規約について定めています。サービスのご利用前には必ず内容をご確認ください。
以上になります。みなさまと一緒に外国為替市場と向き合えることを心より楽しみにしています。
戸田裕大
みなさまとお会いできることを楽しみにしています。