CEIBS GEMBA Global Electives in Singapore
CEIBS GEMBA Global Electives in Singapore

二日目午前中はシンガポールの Lee Kong Chian school のプロフェッサーからASEAN地域でのビジネス戦略について学び、次に CEIBS GEMBA 卒業生からシンガポールでのビジネスについて学びました。

 

CEIBS GEMBA Global Electives in Singapore Day2

午前の授業で非常に感銘を受けたのが、シンガポールが如何に不自然な国であるかと言う点です。これはぜひ足を運んでいただきたいのですが、行き過ぎた効率性と言うか、作られた自然というか、おそらくショートステイでも違和感を感じることが出来ると思います。大都会の中に作られた木々がたくさん存在している不自然さ・・・バスの待ち時間を表示する掲示板の時刻通りにバスが到着する不自然さ、中国人が中国語ではなく表向きは英語を話している不自然さ、そこに住んでいる人たちの母国と比較してすごく不自然です。あくまで効率を追求した結果、残った外観、それが今のシンガポールなのかなと思いました。

 

一方で、作られた環境であるからこそ外国人が働きやすいし、国際的なビジネスが展開できると言う点は納得でした。Olamと言う世界的に有名な農業サプライヤーの本社がシンガポールで、世界中で栽培された製品(例えばコーヒーなど)を世界中に提供しているのですが、世界各地に対してのビジネスであれば言語の問題や税制面から鑑みてもシンガポールが望ましいのかも知れません。講義を担当した教授がビジネス戦略とは Design of Organization to create Value と結論付けていましたが、確かにOlamの組織はシンガポールに最適かなと感じました。

 

次に同じASEAN加盟国でもそれぞれ時間の流れ方は異なると言う点です。これもやはり足を運んで頂きたいのですが、マレーシアとシンガポールでも違いますし、タイとインドネシアでも全然違います。一括りにASEANとは言えないと言うことですね。やはりここは足で稼がないと行けません。百聞は一見にしかず。

 

それから2人目の CEIBS GEMBA 卒業生はシンガポールで仕事を進めるにあたり、直接にゴール(目標)を目指すのではなく時に回り道をすることの大切さを指摘していました。彼は VOSTA と言う灌漑を行うためのプロダクトやソリューションを提供する会社のオペレーションのトップとして働いているのですが、様々な人種が混在しているシンガポールの組織の中で、一つのゴールに向かって足並みを揃えることは苦労するとのことです。これもやはり多くの人種を抱えるシンガポールならではの難しさだと思います。日本のように右向け右とは簡単には行かないのだと思います。

 

そして午後はHDB(Housing Development Board)と言うシンガポールの住宅事業を手掛ける政府機関を訪問しました。HDB1960年に設立された機関で、シンガポールの住宅の危機(不衛生・そもそも住居不足)を救うために設立されました。ここではHDBが新たに手掛けている案件(Eco Town と言う緑多めの集合住宅)や、HDBの住宅ローンの仕組み(平均貸付金利 2.6% for 25 years)、公共性(HDB単体ではPLマイナス)、HDBのモデルルーム見学を行いました。モデルルーム見学を行った感想としては、上海の高級アパートに引けを取らない作りでありながらかなり安価な値段(3LDK 65㎡ SGD194,000)と言うことです。ここは言い切りますが、HDB物件かなりお買い得です。※但し購入権利はシンガポール国籍保有者に限定されます。

 

その後A*STAR(Agency for Science, Technology and Research )と言うシンガポール版、シリコンバレーを訪問しました。シリコンバレーとの相違点は政府が大きく関与して補助金や企業誘致を行ってることです。そのため起業家と大企業が政府の関与を得て近い距離で働くことが可能になっています。また日本人起業家にとって大変ありがたいことは、多くの日系企業がA*STARの戦略的パートナーであると言うことです。Lion・日立・ニコンなどなど、多くの大手企業がA*STARの戦略的パートナーとして関与しています。起業家として参加する場合には事前の審査を受けて最長2年間までA*STARで働くことが可能です。私自身も大変興味が湧いた次第。先日中国で登記したばかりですので、機会があればと言う状況ではありますが・・・

 

それとA*STARとシリコンバレーを比較する場合、A*STARは政府主導ですが、シリコンバレーはあくまで民間主導ですので、シリコンバレーにおいてはネットワークや資金を持っている人は持っているし、そうでない持たざるものにとっては厳しい場所でもあるということが言えると思います。A*STARはそうではなく間に政府が立ってくれるのでネットワークの作りやすさがあると思います。特に日本人には日系企業が多くメリットが大きい場所であると感じました。

 

CEIBS GEMBA Global Electives in Singapore Day3

3日目はシンガポールの港見学です。お恥ずかしながら他の港をじっくりとみたことがないので比較するのは難しいのですが、シンガポール港は世界二位のコンテナ取扱量を誇る大きな港とのことです。帰国して調査したところ現在の一位は私が住んでいる上海港、三位以下の多くは中国の湾岸都市が占めていました。世界二位の港の迫力と言うのを実際に間近でみれたのは良かったのではないかと思います。

 

この日の昼食は南インド料理(Samy’s Curry Restaurant)にて、バナナリーフに盛り付けられた料理を右手で食しました。非常に美味しく大満足、次回シンガポールに来た時も必ず立ち寄りたいと思います。

 

CEIBS GEMBA Global Electives in a Curry Restaurant
CEIBS GEMBA Global Electives in a Curry Restaurant

 

午後は移動でインドネシアはジャカルタへ。次号に続きます。

次号 CEIBS, GEMBA, Global Electives in Indonesia Vol.1

前号 CEIBS GEMBA Global Electives in Singapore Vol.1